真実‥

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テーブルの上には‥ ビールの空き缶が並び‥ カクテルの空き缶が並び‥ 既に日本酒に突入していた‥ 真理さんは‥ 実にお酒が強かった‥ あまり強くない私は 真理さんに‥ 「無理しちゃダメよ。 私はほっといていいから 無理して飲まないでねっ。」 と‥言われていたのだが‥ お酒の力を借り‥ KIYOとの出会いや‥ 事務所で社長秘書を していた頃の話や‥ 聞いてみたかった事を ここぞとばかりに聞いた。 お酒の力って‥すごい。 そのどれもが 夢の様なお話で‥ まさしくドラマチック! だった‥ そして‥ 真理さんも‥ 私の事を色々と聞いてくれた‥ 私も‥ 誰かに自分の事を こんなに話したのは‥ 初めてだった‥。 勿論‥社長が父親である事は 言ってないが‥ それ以外は殆ど口にしていた。 真理さんが言ったみたいに‥ スッとした。 私も‥ やっと言えた。と思った。 今なら‥ 真理さんなら‥ 社長の事も‥ 言えるかも知れない。 と‥思った時‥ 玄関が開いた音がした‥ 私と真理さんは 顔を見合わせ‥ 真理さんは日本酒の瓶を‥ 私は何故か リモコンを握りしめ‥ 2人で戦闘態勢をとった‥ (と‥言っても‥ 私は真理さんの後ろに くっついていたのだが‥) 足音がだんだん近付いて‥ 「アチョーっ!!」 っと‥ 真理さんが日本酒の瓶を 振りかざしたら‥ バシッと捕まえられた‥ 「寝てると思ったら‥ とんでも無い出迎えだな‥ アチョーっ!!って‥」 真理さんの腕を ガシッと捕まえたのは‥ KIYOだった‥ 「何で‥?アレ?」 真理さんは‥ まだ‥信じられない様だった。 私も‥信じられない。 「酔ってんの?」 KIYOは腰を抜かしそうな 真理さんの腰に手を回し 私に聞いた。 私はブンブン首だけ 横に振った。 まだ声が出ない。 「KIYO?」 真理さんは日本酒を持ったまま顔を上げてつぶやいた‥ 「んん‥?」 KIYOは‥ 今まで見た事のない 優しい顔で真理さんを 見下ろした。 「おかえり‥KIYO‥」 「ただいま‥真理‥」 2人は‥ ギューッと抱き合った‥ 真理さんの目から‥ ポロポロと涙がこぼれていた。 何故か‥ 私の目からも‥ 涙がこぼれていた。 何故だろう‥ 敗北感では無く‥ 映画のワンシーンを 観てる様な‥ 感動的な涙だった‥ きっと‥ 真理さんの ドラマチックな話を 聞いたから‥
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