真実‥

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真理の寝顔を見ていると‥ 自然と顔が緩んでしまう。 ずっと見てられるな‥ と思っていたら‥ 真理が目を覚ました。 見過ぎたのかも知れない‥ こうなったらもう‥ 抱きしめざるを得ない。 だって‥ ずっと我慢してたから‥ 真理をギューギュー 抱き締めて‥ 俺の中にスポっと 入ればいいのに‥ と思った。 そしたら‥ ずっと一緒にいられるのに‥ 真理は夢の話をした。 ピーナッツちゃんの夢‥ 雲の上で‥ 元気いっぱい遊んでいる。 真理は‥ 立派なおっ母になった‥ ピーナッツちゃんもきっと‥ そんなおっ母が 大好きなんだ‥ だから‥ 元気に遊んでられる。 笑ってられるんだ。 真理は俺の右腕に気がついた‥ 刻んだ名前の 本人に見られると‥ 何とも恥ずかしい。 しかし‥ 真理がこの右腕に そっと口づけをした時‥ 命が吹き込まれた気がした。 刻み込んだ文字に‥ 命が宿った様な気がした。 一生‥真理を守る‥ その為に‥生まれてきた。 真理は‥ 俺は戦士だと言った。 そういう意味では 間違ってはいない。 しかし俺は‥ そんなに強い戦士じゃ無い。 真理がいるから 強くなれる。 だから‥ 真理は俺の勝利の守り神 そのものだ‥ 真理には 血の様に濃い 真っ赤な石がよく似合った。 ジミーは 俺が結婚したと聞いて 嫁への土産なら ちょっと変わった店主で 古くて汚い店だが 上質の石があるから そこへ行ってみろ。 と教えてくれた‥ ジミーが言った様に それはそれは汚い店で 店主のジジイも変わっていた‥ ジジイはいきなり 客に向かって‥ 「何しに来た?」 と言った。 ケンカ売ってんのか?と思い‥ サングラスを取ると 俺の顔をジッっと見つめ‥ “Sence‥”直感で選べ‥ と言って‥全然光っていない ただの石コロを出して来た。 そして俺が選んだのが‥ ルビーとヘマタイトだった。 ジジイは 満足そうに頷くと 今度はピカピカに光った 宝石と呼ばれる物を出した。 ジジイは俺に‥ “ウチの店は 客が宝石を選ぶんじゃぁない‥ 俺とこの石達が客を選ぶ。 ウチの石には意志が‥ 命が宿ってるんでな‥ お前さんには この石がよ~く似合う‥ Soldier‥ 生まれながらの戦士だ‥” と‥言った。 実に‥ 変わった店だった。
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