真実‥

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事務所の会議室‥ そこには既に 社長と‥ 男らしいイケメン男性と‥ 野田さんと‥ 今風の若いイケメンと‥ 会議室には似つかわしく無い バンドマン風の人達‥ 会議室が似合う 社長風の人達‥ 様々な人々が ズラリと座っていた‥ 思わず足が一歩 後退してしまった‥ そんな私にKIYOは‥ 「ルイ。ココからだ‥ コレがお前の‥ はじめの一歩だ。 地面を鷲掴みにして 歩き出せ‥ この地面はお前のモノだ。 お前の世界を掴め。」 と‥私の耳元で囁いた‥ はじめの一歩‥ この地面は‥ 私のモノ。 私の世界‥ 私の居場所‥ 私は‥ KIYOの言葉を呪文の様に‥ はじめの一歩を踏み出した。 自分の世界を掴む為‥ 自分の居場所を掴み取る為に‥ 社長がココに座れ‥ と‥目で言ったので‥ 私は社長の横に座った。 私は社長とKIYOに 挟まれた。 「お待たせ致しました。 紹介します。 ルイ。ウチの‥金の卵です。」 「ルイ‥です。 宜しくお願い致します。」 こんなにも‥ 一気に大人の視線を 浴びたのは‥ 初めてだった‥ 社長は‥ 大人達を順番に 紹介してくれた。 男らしいイケメンは 何とお姉系で‥ KIYOのヘアメイク。 若いイケメンは 真理さんのいとこで‥ カメラマン。 バンドマン風は‥ 見たまんまのバンドマン。 レコード会社の人‥ CM関係者‥ 事務所の人‥ 聞いた事の無い様な 色んな職種の人達がいて‥ その度に‥ 頭を下げ挨拶をした‥ とてもじゃないけど‥ 覚えられない。 「そして最後に‥ ルイのプロデューサー KIYO。」 KIYOはペコっと頭だけ下げた‥ 「金の卵だったKIYOが‥ 金の卵を生み育てる。か‥ コレは面白い(笑)」 どこぞの偉いさんが ボソッと言った‥ 「アホか‥ 俺は‥ あっためるだけだ。 殻を突き破るのはコイツ。 突き破って歩くのも コイツの足だ。 俺はチチもやらねーし オムツを 変えるつもりも無い‥」 KIYOはズバッと言いきった。 「こりゃ手厳しい プロデューサーだねぇ(笑) 私達も気が引き締まる(笑)」 なぜか会議室は一気に 和やかな雰囲気になった‥ 私の頭の中で‥ KIYOが言った言葉が‥ ぐるぐるループしていた。 あっためるだけ‥ その先は‥ 私自身の力で‥ 自分の足で‥ 歩かなければならない‥ KIYOは‥ いつまでもいない。 そういう事だ‥
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