真実‥

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ルイは毎日 ボイトレとダンスレッスン それにエステ通い‥ その間に 俺は曲を作っていた‥ 仕事はコレだけじゃなく‥ “Moonscape”の 制作活動は勿論‥ レギュラーのラジオはあるし‥ 音楽雑誌の連載もあるし‥ たまに他の雑誌の 取材なんかが入って‥ 相変わらずの日々が続き‥ 暦も5月に変わったある日‥ 地獄の判決が出る日が やって来た。 オッサンは日本に帰国後すぐ アレックスの毛髪を 引きちぎるべく 外国人タレント事務所へ 乗り込んだ。 しかし‥ アレックスは‥ 見事にスキンヘッドだった。 想定外だ‥ 下の毛をむしって来いっ!! と言っても‥ 外人は処理している事が多い。 仕方無いので‥ 正当方で‥ 全てを話した。 アレックスは‥ 漫画の様に‥ “OH‥ MY GOD‥” と言って 頭を抱えたらしい。 自分に息子がいる事も知らず 十何年も生きて来たんだ‥ しかも‥ 同じ時期に生まれた 娘までいるかも知れない‥ その二人が‥ 愛し合い 自分の血のおかげで 苦しんでいるんだ‥ 神にすがりたくなるのも 仕方無いのかも知れない‥ アレックスは 息子に会わせてくれっ!! と懇願したが‥ 断った。 判決が出るまでは‥ アレックスには 大人しくしてもらうしか無い。 すると‥ アレックスは‥ “女の子は‥ 俺の子供じゃ無いっ!!” と‥言った。 サツキとは‥ 何もなかった。と‥言った。 別に信じるとか 信じないとかでは無く‥ ここまで来て‥ シンがその言葉だけで 納得するとは思えない。 ヤツの心の傷は‥ そんな言葉だけでは 癒やされない。 ヤツには‥ 一点の曇りもナイ心で 花音と向き合って欲しい。 たとえ‥ 判決が‥ 兄妹だったとしても‥ ヤツの傷は‥ 花音でないと‥ 癒せない。 恋人‥ 兄妹‥ どっちにしてもだ‥。 俺はオッサンに‥ DNA鑑定を依頼した。 その結果が今‥ 俺の元に‥届けられた‥。
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