真実‥

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「別居だってぇ~」 「私、すぐ離婚すると 思ってたんだよねぇ~‥」 「ってか‥それあんたの 願望じゃないの‥?」 「私はショックだなぁ~ KIYOは浮気とかしないで 欲しかったぁ~‥」 好き勝手な事言ってんな‥ お兄ちゃんは‥ そんなヤツじゃねぇよ‥ どっかの誰かさんみたいに‥ 愛する人を傷つけたりしない。 満島は‥ そんな女子達の会話を BGMにしながら 机に突っ伏して また‥空を見ていた。 足がぶらぶらと 揺れているので‥ 眠ってはいない。 きっと‥ 心の中で喋っている。 お兄ちゃんなのか‥ 姉御なのか‥ 解らないが‥ 俺は‥ 満島の爺っちゃんとの 約束通り 満島を見守っていた‥ 遠くから‥ あれから‥ 屋上にもあまり 行かなくなった‥ 先輩達はやたらと 誘ってくれたが‥ 満島から目が離せなかった。 そんな俺を “付き合い悪い。”と 言うでもなく‥ 先輩達は‥ “ベイビーちゃん 河原でお花摘んでたぞ‥ あの河原‥☆中の たまり場になってっから 行った方がよくね?” とか‥ “ベイビーちゃん‥ ○中のヤツが狙ってたぞ‥ 昨日たまたま 耳にしたんだけどよ‥ とりあえずシメといたけど‥” と‥ 何かと俺を バックアップしてくれた。 その度に 何と言っていいか わからなかったが‥ “アリガトー”の気持ちは 言葉以上に溢れていた‥ それくらい‥ 俺と先輩達との間に 何かが生まれたのかも 知れない。 人はコレを 友情と言うのかも知れない‥ べったり寄り添わなくても 確かな友情はある‥ それと同じ様に‥ 寄り添えなくても‥ 確かな愛情はある。 俺と満島の様に‥ 満島に‥ 寄り添えなくても‥ 俺はいつも 満島に寄り添っている。 気持ちだけは‥。 ‥昼休みが終わり 開始のチャイムが鳴った‥ 満島の足は‥ チャイムと同時に 動きを止めた。 眠ったな‥。 俺は‥ 見つからない様に 手で口を隠し‥ こっそり笑ってしまった。
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