真実‥

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5月に入り‥ 世間はゴールデンウイーク‥ 俺は‥ 相変わらずバイト三昧で‥ 満島は‥ どうしているんだろう‥ お兄ちゃんはもう 帰って来ている様だが‥ 満島は相変わらず あの爺っちゃんのいる 豪邸に住んでいた‥ どっちにしても 豪邸なんだが‥ お兄ちゃんの豪邸は 只今リフォーム中だと 芸能ニュースで言っていた。 あの豪邸のどこを リフォームする必要が あるのか‥ 「アラタっ!!出前頼むっ!!」 大将はイカツイ顔を もっとイカツくさせて言った。 そ~言えば‥ 出前の電話でもめていた‥ 「あ‥はい‥ どこっすか?」 「それが‥ どこで知ったんだか‥ 出前圏外なんだよっ! 断ったらキレやがって‥ 俺はスープの冷めない距離しか出前しねぇ!!って 言ってんのにっ!! なら冷やし中華 持って来いっ!!って ぬかしやがって‥ そ~ゆ~意味じゃねぇしっ!! まだ冷やし中華 やってねぇしっ!!!」 何か‥背中に悪寒が‥ 「あの‥それって‥ どこですか?」 「ァアン!!? アソコだよっ!! あの‥芸能事務所っ!! ありゃ‥絶対 マネージャーだな‥ きっとワガママなタレントが “私あそこの中華が 食べたいのぉ~っ!! あそこの中華じゃないと 嫌なのぉ~!!”とか ワガママ言ってんだろっ!!」 ‥ナイ、ナイ。 そもそも そんな有名な店じゃないだろ? この店に 芸能人来た事ないだろ? スーパーポジティブかっ。 それ‥ マネージャーでなくて‥ スーパースター本人だから‥ そんな事言うの‥ お兄ちゃんしか 考えられないから。 「あの‥俺‥ 直帰していいっすか?」 「ァアン!!?」 「いや‥いいっす。 戻って来ます‥」 「いいよ‥。お前もたまには 中坊らしく遊べ‥ ちゅ~か‥お前ん家‥ コノの上だろがっ‥ どっちみち帰ってくんだろが‥帰って来ても お前のまかないねぇからな‥」 大将も‥顔に似合わず 優しい人だ。 「有り難う御座います‥」 「早く焼き豚切れっ!! あとキュウリもっ!!」 大将は何だかんだ言って 冷やし中華を作る。 俺は‥ お兄ちゃんに まだ早い冷やし中華を 届ける事になった‥ 俺はすでに緊張していた。 包丁を持つ手が‥ 震えていた‥
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