真実‥

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その指令は突然下された‥ “真理っ♪ 悪いんだけど‥ 今からシンの野郎 拉致って来てくれる?” KIYOからの突然の電話‥ 意味不明。 シンがバイト中という事で‥ KIYOはバイト先に 出前を頼んだ。 しかし‥ 大先生の住所と名前を出すのははばかられ‥ (そ~ゆ~トコは 紳士的なのだが‥) 出前先を事務所にした。 (現にKIYOは 事務所にいたから‥) でも‥本来のシンの 拉致監禁場所は 大先生の御屋敷。 と‥いう事で‥ “野郎を拉致って来て♪” と‥いう事になった。 KIYOがシンの話をするのは‥ あの日以来。 やっぱり‥ KIYOは‥ 動いていた。 シンを拉致る。という事は‥ 何らかの進展があったから‥ でも‥ 大先生の家って‥ 花音ちゃんは今‥私の実家‥ 母さんの所に泊まりで 遊びに行っているから 不在なのだが‥ 大先生も知っている。 という事だろうか‥ 「わかった。すぐ行くっ。」 “安全運転で行けよ‥ あんまブッ飛ばすんじゃ ね~ぞっ♪ 俺も、もうちょいしたら 出れるから‥” と‥言われたが‥ 気持ちの方が早まって‥ 思わずブッ飛ばしてしまった。 久しぶりに会ったシンは‥ ひと目見ただけで‥ 大人になった。とわかった。 あの日‥ 滝の様な涙を 流していたシン‥ 今は‥ それも見る影も無く‥ 逞しい顔つきになっていた。 シンも‥ 戦っている。 あの日の涙を ガソリンにして‥ シンも‥ KIYOと同じ匂いがした‥ 屈強な戦士の匂い。 花音ちゃんは‥ この匂いに惹かれたのかも 知れない。 シンは緊張しながら 何故か少し赤くなって‥ おとなしく 助手席に座っていた。 可愛い‥ なんて言ったら‥ KIYOに怒られるな‥ “真理っ!相手は頭ん中 エロばっかの中坊だっ! 防護服で行けよっ!” と‥言われたが‥ そんな着替える時間もナイし‥ そのままの格好で 出て来たが‥ KIYOに‥ “はぁぁぁ‥ また‥んな格好しやがって‥” と‥ まるで私が ダメっ子ちゃんみたいに ため息をつかれる事になる。 だって‥ 防護服って‥ 何‥?
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