真実‥

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「真理ちゃん‥ どうだい?具合の方は‥?」 「も~すっかり大丈夫です」 「そうか‥良かった‥ また美しさに 磨きがかかったね‥」 俺も‥そ~思う。 でも姉御‥ どっか具合悪かったのか? 俺は無事? 拉致られて‥ 舞踏会が出来そうな リビングに座らされた‥ 二度目でも慣れない。 「KIYOは‥?」 「ぁあ‥今事務所を出たって 電話があったよ‥」 ヤバイ。 緊張してきたっ‥ 「大丈夫よ‥ 今更、蜂の巣にはしないわよ‥ 大丈夫‥。」 姉御が俺の肩をポンポンと してくれた‥ 蜂の巣って‥ またそんな爽やかな笑顔で‥ でも‥ 姉御の“大丈夫”は 凄い効果があった。 肩の力が少し抜けた。 しかし‥ 俺の横に座っている姉御は‥ 正直‥目のやり場に困る。 姉御より座高の高い俺は‥ 姉御の胸元が‥谷間が‥ 丸見えデス‥。 肩の力は抜けたが‥ 違う所に力が 入ってしまいそうだ‥ そんな俺を‥ 姉御の足元でジィーーっと 見つめる平蔵。 なっ‥何だよ‥ その目は‥ そんなんじゃねぇ~よ‥ そんな目で見るなって‥ “ウォンっ!!ウォンっ!!” 突然‥平蔵がイイ声で吠えた。 びっ‥ビックリした‥ 飛びかかって来るかと思った。 「おっ‥もう着いたか‥ 早いな‥」 「ブッ飛ばして来たのかも‥」 え‥? まだ誰も来た気配は無いが‥ 多分‥お兄ちゃんだろう。 平蔵には‥ わかるらしい。 平蔵はご主人様を お出迎えするかの様に スタスタと部屋を出て行った‥ そして数分後‥ お兄ちゃんが 平蔵を引き連れて現れた‥ 絵になるな‥ 完全に平蔵を服従させている‥ 「はぁぁぁ‥ また‥んな格好しやがって‥」 お兄ちゃんは姉御を見て 頭をカクンと落として 深いため息をついた。 言ってやって下さい。 目のやり場に困るって‥ 「テメー‥ 何を上から覗いてんだよっ!! 離れろっ!!だいたい何で テメーが真理の横に 座ってんだよっ!!どけっ!!」 え~~~っ!! 俺なの~っ!!? お兄ちゃんは 羽織っていた白いシャツを 姉御に渡し 俺をソファから立ち退かせ 姉御の横にドカッと座り‥ 「オイっ‥ 冷やし中華っ!!」 と‥言った。 冷やし中華‥ ダミーじゃなくて‥ ホントに食べるんだ‥ お兄ちゃんは‥ 初めて会った時から‥ 何も変わっていない。 コレが‥ 揺るぎないモノを 持っている証なのだろう。 やっぱり‥ かっこいい。と‥思った。
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