真実‥

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「なるほどな‥ それで‥今の仕事か‥ “トニー・カンパニー” そいつの名前だろ? お前の会社‥」 アレックスが友人と 立ち上げた会社は‥ トニーの名前が つけられている。 事実を知ったアレックスは 何も手につかなくなり‥ 路上生活にまで身を落とす。 そこで今の会社の 共同経営者である友人に 拾われる。 自分を責める前に 自分の出来る事をしろ。 何もしない 何もしようとしないお前は 自分を責める資格もない。 そう言われ‥ かつて自分を弟の様に 可愛いがってくれた トニーの様に‥ 路上で夢を見る若者達の 面倒を見る様になる。 今までの経験と‥ 出会いを全て使って‥ そしていつしか会社は成長し‥ トニーがこの世を去って‥ ‥12年。 アレックスは‥ やっと日本の土を踏む 決心がついた。 しかし‥ アレックスにとって‥ また新な真実を 突きつけられる事になった。 自分の息子と‥ トニーの娘‥ 「何故‥サツキは‥ 何故あの時‥一言 トニーの子供だと 言わなかったんだ‥ トニーが誰よりも家族を 作りたがっていた事‥ 知っていたのに‥」 アレックスは悔しそうに 自分の膝を叩いた。 「それは‥サツキにしか わかんねー事だ。 ただ‥そんなにも お前らを家族の様に 愛してたトニーに 本物の家族が出来たら‥ 駆け落ちでさえ そこまで悩む男に‥ 言えなかったんじゃないのか? 言ったら‥ お前ら‥夢なんて 諦めるんだろ? サツキも‥サユリも‥ お前らの夢ごと愛してた。 って事じゃないのか?」 アレックスは‥ 唇を噛んで押し黙った。 「俺達は‥一体‥ 何をやってたんだ‥ 彼女達の‥ 何を見ていたんだ‥」 アレックスは 頭を抱えて言った。 「簡単だ‥ お前らは‥ただ‥ 夢を見てたんだ。 夢しか 見てなかったんだよっ!!!!!」 俺はとうとうキレてしまった。 もう‥我慢の限界だ。 「サツキの言った通りだ‥ 男はバカで不器用で ど~しょ~もねぇから‥ 両立なんてデキねーよ‥ なら‥ひとつにしたらイイ。 愛するヤツと‥ ひとつになりゃいいんだよっ!! 2人で1人になりゃ‥ 夢だって 手に入れられるだろがっ!! テメェらは‥ よっぽど自分が強い人間だと 思ってるのか‥? 何でも1人で手に出来ると‥? よっぽどの強がりか‥ 薄っぺらい偽善者か‥ ドあほか‥どっちかだっ!!」 限界を超えたら‥ 止まらない。 アレックスは‥ そんな俺を‥ ヤツと同じ目で 見つめていた‥。
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