真実‥

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「全部だ‥ 強がりで‥偽善者で‥ ドあほだ‥。 君が‥トニーの娘を 育ててくれたんだな‥ 良かった。君で‥ 本当に良かった。」 アレックスの青い目には 涙がたまっていて‥ 海みたいだった。 「俺の妹だ‥ 当たり前の事だろがっ‥」 「それで‥ 息子に‥会いたい。 トニー‥いや‥ 君の妹。Kanonにも‥ 会わせてはくれないか‥?」 「会ってどうする?」 「何も言うつもりは無い。 ただ‥ひと目会いたい。」 「またか‥ また見てるだけか? ヤローが‥流した涙の 落とし前くらいつけろっ!! テメェ‥わかるか‥? 自分が何者か‥ 何の為に産まれたか‥ ずっと‥ずっと‥ 不安でたまんねー ヤローの気持ちがっ!! やっと解った父親を‥ 恨まなきゃならねー アイツの気持ちがっ!! テメェーは‥ そのまま見てるだけかっ!!? 父親なら‥ 憎まれても‥恨まれても‥ ぶつかってやれやっ!!! アイツはなぁ‥ 真実を知る為に‥ 勇気振り絞って‥ 今も必死に生きてんだよ‥ お前より‥ よっぽど強く‥ イイ男に育ってる。 その目で‥ 確かめてこい。」 産みの親を知らない俺も‥ 同じ様に悩んだ日があった。 産まれた意味を‥ 生きる意味を‥ 人一倍無駄に考える。 確かなモノが見つかるまで‥ 「もしかして‥君も‥」 「‥ァア!!? 今は俺の話はど~でも いいんだよっ‥!!」 ックソ‥!! 俺は‥何を言ってんだ‥ ついつい自分とシンを 重ねてしまった事が 恥ずかしくなり 俺は上着を脱ぎ捨てた‥ 「‥‥何だよ?」 アレックスは‥ 俺をジッっと見つめ‥ 「産まれた意味を‥ 知ったんだね‥」 「ァア~っ!!?」 アレックスは‥ 俺の右腕を ジッっと見つめていた‥ “I was born to love you‥” 君を愛する為に生まれた‥ 「俺も‥今やっと‥ 解った気がするよ。 俺が生まれた意味‥」 「‥オッセェーんだよっ。 テメェの息子は‥ もうとっくに知ってる。 息子に先を越された 気分はどうだ‥?」 「それも‥悪くない。」 アレックスは‥ はにかみながら笑った。 息子にそっくりな笑顔で‥
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