真実‥

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「到着致しました‥」 しまったっ‥!! 不覚にも‥寝てしまった‥ 俺のベッドより 寝心地がいいって‥ 辺りはすっかり暗く‥ 街頭の灯りも少なく‥ 車さえ通っていない。 ココ‥どこ? 「真理様の御実家です‥ お嬢様はこちらに 泊まられておいでです‥」 白手袋は俺の心を察知して 答えてくれた。 姉御の実家‥ ミポりんの家か‥ 想像以上に‥田舎だな‥ 「有り難う御座いました‥」 「明日‥また お迎えにあがります。」 白手袋は頭を下げた‥ 「ぁ‥はぁ‥‥‥‥ え~~~~っ!!!!! 明日ぁ~っ!!!!?」 白手袋は微笑みながら また車をぶっ飛ばして 去っていった。 明日って‥ 明日って‥ 俺‥泊まるの‥? 満島と‥ お泊まり‥? マジでかっ‥!? 新しいパンツどころか‥ 着替えとかねーし‥ マジでかっ‥!? 俺はひとり家の前で あたふたしていた‥ 「シンっ‥!!」 いきなり背中に衝撃‥ 背中にタックルを 浴びせられた‥ ふわりと満島の匂いが 鼻をかすめた‥ 「おかえり‥シン‥」 「た‥ただいま‥?」 満島は俺の背中に しがみついたまま言った‥ 太陽が当たってるみたいに 背中がじんわりあったかい‥ 「満島‥‥」 俺はシートベルトの様に 腰に巻きついた 満島の腕を外し 満島と向き合った。 「満島‥俺‥ 満島が‥好きだ‥」 満島は‥ ほぼ真上を見る様に 俺を見上げ‥ 「知ってるっ♪」 と‥言った‥ 「満島に‥あんな事言って‥ 満島を‥傷つけたけど‥ やっぱ‥満島が‥大好きで‥」 「知ってるっ♪」 「やっぱ‥満島と‥ ずっと一緒にいたくて‥」 「知ってるっ♪」 「だから‥ もう離さないからっ!!!!!」 俺は‥ ありったけの力を込めて 満島を抱き締めてしまった‥ 「ウプッ‥ しっ‥てる‥♪」 満島は‥ウプッ。っと 声を上げて‥ 苦しそうに‥ でも‥ ニへ♪っと笑って言った‥ 「シンっ‥!!信じてたよっ♪ 絶対私の所に 帰って来てくれるって‥♪ おかえりっ♪シンっ♪」 満島は俺に負けない強さで 抱きついた‥ ココにも‥ 俺を信じて 待っててくれた人がいた‥ 「ただいま‥‥。」 ココが‥ ずっと俺の居場所で あります様に。 いつまでも俺の帰る場所で あります様に。 そう願いを込めて‥ “ただいま‥”と言った。 苦しいのと‥ 恥ずかしいのとで‥ 真っ赤になりながら‥。
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