真実‥

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「ノ~ンっ!! 大量だぞ~っ!!」 ハルがサビキで小さいアジを いっぱい釣り上げて こっちに走って来た‥ 「わぁ~っ!!すご~い♪ ハル漁師になれるねっ♪」 漁師はサビキじゃ釣らんだろ? 「まぁなっ♪ 漁師も悪くね~なっ♪ 真理にいっぱい 美味しいお魚 食わしてやれるなっ♪」 そ~だな‥ 姉御、料理上手いしな‥ はぁぁぁ~‥ 無邪気だ。 この子達は無邪気でイイ‥ 俺達はミポりんの 美味しい朝食を食べた後 歩いてすぐの所で 海釣りをしていた‥ 「ど~したのシン‥? 釣れないからスネてるの?」 満島はお嬢様みたいな 白い帽子をかぶって 首を傾けた‥ 「ぁ‥ごめん‥ そんなんじゃ無いよ‥ 楽しいよ‥」 願わくば俺もスネるくらい 釣りに集中したい‥ こんなにいい天気で‥ 大自然で‥ 何よりも‥ 大好きな満島と 一緒なんだから‥ 楽しく無いワケがナイっ!! アイツの事さえ無かったら‥ アレックス。 俺の父親で‥ 母ちゃんが 今も好きだと言う男‥ 満島がアイツの子じゃ 無かったからと言って‥ 会いたかったよ!父ちゃん! と言うワケにはいかない。 憎んでるのか‥ 恨んでるのか‥ それさえ解らない感情が 俺の中に渦巻いていた‥ 「シン‥大丈夫だよ‥ 私がシンのそばに ついててあげる♪ だから大丈夫だよ♪」 満島が俺の手を そっと握った。 「満‥‥」 満島‥と‥言いかけた時‥ 猫の様に首根っこを 鷲掴みにされ ズリズリと引きずられた‥ 「真理ぃ~っ♪ 面白いモンが釣れたぞ~♪」 「お兄ちゃんっ♪」 お兄ちゃん‥ 早い。参上するの早いよ‥ 「花音~っ♪ ココにいたのかぁ~ お兄ちゃん 全然気付かなかったなぁ~」 ウソだ‥ 絶対知ってたよ‥ 始めから俺狙いだよ‥ 俺はポイッとお兄ちゃんに 捨てられた‥ ウオンッ!!!!! マジかよ‥何で平蔵まで‥ 「大丈夫‥?」 姉御が地面に転がった俺に 手を差し出してくれた。 姉御が女神様の様に見えた‥ その手を掴もうとした時‥ 俺の視界の中に何か 小さいのが飛んで来た‥ 「真ぁ~理ぃ~っ!! 待ってたぞ~っ!!」 ジュバッ!!っと‥ ハルに‥飛び蹴りされた‥ 何でこ~なるんだよ‥ お前と俺は仲良くなれるんじゃなかったのかよ‥ アイタタタ‥ その時‥ もう一個の手が差し出された‥ 見上げると‥ 俺と同じ青い瞳をした 外人がいた‥ アレックス‥ コレが俺の‥親父‥?
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