真実‥

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俺は差し出された手を 握る事無く自力で 立ち上がった‥ アレックスは スッっと手を引いて 俺をしげしげと見つめ‥ 「ARATA‥‥」 と‥俺の名前を呼んだ。 その瞬間‥ 俺は‥目の前の男を 思いっきり殴っていた‥ アレックスの口からは‥ 赤い血が出ていたが‥ 倒れる事無く フラっとしただけだった。 次の瞬間‥ パシーンっ!!!!! と‥いい音がした‥ 俺は‥満島にほっぺたを ひっぱたかれていた‥ 「黙って殴るなんてダメっ!! ‥シンのお父ちゃんでしょ? 私‥花音っていいます♪ シンの彼女やってます♪ ど~ぞお見知りおきを‥」 事もあろうか‥ 満島は お控えなすってのポーズで アレックスに挨拶をした‥ チラッと‥ お兄ちゃんを見たら‥ お兄ちゃんは 早くもハルとバトっていた‥ 姉御を取り合いしていた‥ ど~やら‥ 勝手にしろ。と言う事らしい‥ 「Kanon‥‥ アナタが‥Kanon‥ Oh-‥TONYー‥」 アレックスは事もあろうか 実の息子では無く 満島を抱きしめた。 「テメぇ~離れろやっ!!」 俺はアレックスの肩を掴んだ。 何で‥泣いてんだよ‥ アレックスは‥ マンガみたいな滝の様な 涙を流していた‥ 俺みたいに‥泣いていた‥ 「Kanon‥‥ARATA‥‥ ゴメンナサイ‥ ゴメンナサイ‥」 アレックスは泣きながら 流暢な日本語で ゴメンナサイと言った‥ 「シン‥何で謝ってるの?」 満島は‥ 持っていたタオルで アレックスの涙を ふきふきしながら 俺に聞いた‥ 俺は‥ 答える事が出来なかった。 「オイ‥ 満島は関係ね~だろ‥ 満島を離せ‥」 もう済んだ事だ‥ 満島にわざわざ 言う事じゃ無いと思った‥ 「関係あるモンっ!! 何で関係ナイとか言うのっ!! そ~やってまた 私だけ仲間外れにするのっ!? ど~して自分ひとりで 何とかしよ~とするのっ!? 私は何の為にいるのっ!? シンのバカッ!!」 バカと言われた‥ 俺は‥ ホントにバカかも知れない。 満島は‥ 俺が俺らしく生きる為に いるんだ。 ひとりじゃど~しよ~もない 俺の為に‥いるんだ。 「満島‥ゴメン‥ 一緒にいてくれる?」 「当ったり前だっ♪」 満島の 当ったり前だっ♪は‥ お兄ちゃんに とてもよく似ていた。 最強兄妹だ‥ 満島という ジョーカー 最後の切り札を手に入れた 今の俺は‥ 最強だ。
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