真実‥

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ふと見ると‥ お兄ちゃんとハルは 釣りをしていて‥ 姉御は日傘をさして 平蔵と座っていた‥ “絶っ対っ負けないからなっ” “んだとぉ~っ!! 俺のお魚釣りの腕前 なめんじゃね~ぞっ!! ギャフンと 言わしてくれるわっ!!” “何だとぉ~っ!!” 最強ライバルか‥ ホントに仲がいい。 俺達3人は誰からともなく 自然と歩き出し‥ まるで用意されてたかの様な ベンチに座った‥ そして‥ アレックスが話しだした。 俺が‥生まれる前の話を‥ 俺と満島に語った‥ 満島の言った通り‥ 満島に関係ナイ事は 無かった。 満島の父親は‥ アレックスの嘘と‥ 満島の母親である サツキの嘘に翻弄され‥ 自ら命をたっていた‥ 満島は‥ 父親を死に追いやった アレックスの話を 黙って聞いていた‥ アレックスは‥ 何度も満島に 謝罪の言葉を述べた‥ 時折英語で‥ 頭を下げ続けた。 「も~いいです‥ 謝られても‥ ど~していいか解らない。 頭をあげて下さい‥」 そりゃそうだろう。 いきなりそんな事を 言われても‥見た事も‥ 記憶にも無い父親の話を‥ いきなり聞かされても‥ ど~していいか解らない。 しかも‥ もうこの世にはいない。 「もし‥ お父ちゃんが生きてたら‥ お父ちゃんとお母ちゃんが 二人で駆け落ちしてたら‥ 私は‥ お兄ちゃんと出逢わなかった‥ 今の家族とは出逢わなかった。 シンの彼女にも ならなかったかも知れない。 私は‥今がいいんです。 お兄ちゃんの家族で‥ シンの彼女で‥ 今のままでいいんです。 きっと‥ お父ちゃんとお母ちゃんが‥ 私に与えてくれた‥ お兄ちゃんとシンを。 そう思います。 だから‥謝らないで下さい。 私は‥生まれて来ただけで 感謝してます。」 俺は‥ やっぱりこの兄妹には かなわない。と思った‥ 俺は‥ 生まれた事の意味さえ わからず‥ 感謝なんてした事も無かった。 この兄妹に出会うまでは‥ お兄ちゃんに 生きる理由を与えてもらい‥ 満島が 生まれた意味を教えてくれた‥ そして2人に 今を必死に生きる事を 教えてもらった‥ 俺も‥両親に 感謝すべきなのかも知れない‥ 俺の育った環境が‥ この青い目が‥ 全てが‥ この最強兄妹と 出会う為だとしたら‥ 感謝しなければならない。 俺も‥ 今が好きだから‥
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