真実‥

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「Kanon‥‥アリガトー‥ ボクも‥カンシャしてる‥ Kanonが‥生まれた事‥ ARATAが‥生まれた事を‥ カンシャしてる‥」 アレックスは 青い瞳で俺を見つめた。 今度は‥手は出なかった。 「ARATA‥ 生まれて来てくれて アリガトー‥」 ケンシロー以外の男に 抱きつかれたのは 初めてだった。 「俺は‥ 気がついたら生きてた。 息をしていた。 それを言うなら‥ 母ちゃんに言ってやれ。 母ちゃんに‥ ホントの事を言ってやれ。」 母ちゃんは‥ 今もコイツを愛している。 今の俺に‥ コイツを重ねるくらい‥ アレックスを失った 母ちゃんは‥ 俺がいたから生きてられた‥ 俺は神様からの プレゼントだと言った‥ 裏を返せば‥ アレックスがいないと 生きていけなかった。 アレックスのついた嘘を バネにして生きてきた。 遠回りや寄り道をしながら‥ 母ちゃんからしてみれば 俺が生きてる意味は‥ もっと昔から あったのかも知れない。 俺が‥生まれた瞬間から‥ 「ARATA‥アリガトー‥ Sayuriに‥アイタイ‥ 今でも‥Sayuriを‥ アイシテル。」 「‥‥‥。キモイわ。 俺にゆ~なっ!!」 「キモくないっ‥ ARATA‥アイシテル。」 何コレっ‥!? コレが外人の風習ってやつ? 「やめろってっ!! 離せよっ!!!マジキモイっ!!」 アレックスは バカみたいに力強くて‥ 離れられない‥ 「キモくないっ♪ 私もっ♪私もアイシテルっ♪」 満島が‥ 俺の背中に飛びついた‥ 満島とアレックスに 挟まれた‥ ど~せなら‥ 前後逆が良かった。 「ARATA‥顔‥アカいね‥ カワイイね‥」 ナヌっ‥!? 「お前がゆ~なっ!! 誰に似たと思ってんだよっ!!」 アレックスは‥ 顔を赤らめて笑った‥ 笑ってる場合かよ‥ 背中に柔らかいモノが‥ あたっとる。 やっぱり‥ 満島が背中側で良かった。 こんな顔‥見られたくない。 茹でタコみたいで‥ ニヤニヤした俺の顔‥ 見られたくない‥ 「シン♪耳まで赤いよ♪ カワイイ~ねっ♪」 バレとる。 前を向いても 後ろを向いても 満島には‥ 全てお見通しだ‥
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