武器‥

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真理と一緒に風呂なんて‥ この俺が許すと思ってかっ!! 俺は清春を風呂場に 連れて行った‥ わめき散らしていたが 湯船に入ると おとなしくなった‥ “ぁぁぁあ~いい湯だなぁ~” 小っこいオッサンだな‥ タコのオッサンと 風呂に入ってっから コイツまで オッサン化してるんだろう。 「シンは父ちゃんと 上手くイッタのか‥?」 清春は‥ シンがアレックスを ぶん殴った所を‥ 目撃してしまった‥ その瞬間‥ コイツらしく無く‥ とっさに俺の腕を握っていた‥ 俺は‥気をそらすべく 清春に喧嘩をふっかけたが‥ やはり‥気にしていた‥ 「ガキは、んな事 気にしなくていい。」 「俺はガキじゃないっ!!」 「ガキだろがっ‥何だコレっ‥可愛いのぶら下げやがって‥」 「もぅ~っ!!さわんなよっ!!」 清春はバシャバシャと 水面を叩いた。 「わ~ったから‥やめろ‥ 清春‥人には‥ その人にしか 解らない事がある。 どんなに知りたくても‥ 全てを知る事はデキない。 苦しみや‥悲しみだけは‥ 半分こ。ってワケにいかない」 「何でだ‥? 半分こにした方がイイじゃん。苦しい事が半分になるんだろ?俺は真理が苦しんでたら 半分どころか全部貰う。 真理のをゼロにしてやる。」 清春はどや顔で言った‥ 「半分こしても‥ 全部貰っても‥ ゼロにはならない。 真理の苦しみは 真理のモノだから分ける事は デキない。」 「じゃぁ‥ど~すりゃ イイんだよ‥」 「苦しみや悲しみごと 全部まとめて 受け入れてやればイイ。 何もデキなくても‥ そばにいてやればイイ。 そばにいられなかったら‥ 遠くから見守ってればイイ。 心だけそばにいれば‥ 目と心だけ そらさなければイイ。 そのうち手を差し出されたら 掴んでやればイイ。 その時に出来る事を すればイイ。 お前にしかデキない事が きっとある。 苦しみや悲しみは 消えて無くなるモンじゃない。乗り越えていくモンだ‥ 人の苦しみや悲しみを 全部理解しようったって 所詮ムリな話だ。 シンとアレックスも‥ あの二人にしか解らない事‥ 俺達は見守ってるだけで イイんだよ‥わかった?」 「わかった‥ シンが手ぇ出したら 俺が掴んでやるよ‥ アイツは俺と同じ敵と 戦ってるからな♪仲間だ♪」 同じ敵って‥ もしや‥俺の事か‥? 清春はまたどや顔で‥ ニヤリと笑った‥
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