武器‥

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「清春っ‥ジッとして‥ ちゃんと乾かさないと 風邪ひいちゃうでしょ‥?」 私が清春の髪の毛をゴシゴシとタオルで拭いていると‥ 「真理っ!! 腕見せてみろっ!!」 と‥言われた‥ 「腕‥?ど~したの‥?」 「いい~からっ!! 早く腕見せてっ!!」 ど~しちゃったのかしら‥ 「ハイ‥」 私はTシャツの袖をまくって 清春に差し出した。 「‥‥良かった。 まだ真理にはナイな。 まだ間に合うな‥」 清春はブツブツと ワケの解らない事を言って‥ 私の腕に自分の腕を ピトっとくっつけた。 「何やってんの‥?」 「ん?浮いて来るの 待ってんだよ‥ ちょっとでも くっついてる方がイイだろ? その方がすぐ出て来るんだよ‥ だからアイツのにデタんだっ!! 俺だって真理とずっと くっついてたら アイツより先に デタはずだっ!!」 意味不明‥ KIYOに何か 吹き込まれたに違いナイ。 「何が出るの‥?」 「“真理は俺のモノ”って‥ アイツの腕に出てた‥」 清春はタコみたいに ぶ~っと膨れて言った‥ 可愛いっ‥!! KIYOのタトゥーの事だ‥ 浮き出ると思ってるんだ‥ んな事KIYOが言ったに 違いナイんだけど‥ 信じてるんだ‥ 可愛いぃ~っ!! 「真理‥ヤな事とか‥ あったら‥手ぇ‥出せよ‥ 俺が握ってやるからなっ‥ 俺がデキる事は 何でもしてやるからっ‥」 清春は小さい手で 私の手を握ってくれた‥ KIYOに何か 教わったのかしら‥ 「清春‥アリガトー‥ 私も手ぇ出すから‥ 清春も‥ ちゃんと手ぇ出すのよ‥ わかった?」 この子は変な所が大人で‥ 自分の弱さを 人に見せないから‥ 「わかった。 真理の手ぇ握ってやる♪」 何で上からなのかしら‥? 誰の影響かしら‥? 一人しかいないんだけども‥ 「真理ぃ~ ギュ~ッってしてぇ~!!」 こ~ゆ~トコは子供なのよね‥ 「清春‥大好きだよ♪」 私はポカポカの清春を ギュ~ッっとした‥ 「俺も大好きだぁぁぁあ!!」 清春が 私の胸に顔をうずめた時‥ 私を呼ぶ 花音ちゃんの声が聞こえた‥ もしかして‥ いないと思ったら‥ 花音ちゃん‥ KIYOと一緒に お風呂に入ってるのっ!!? 私は慌てて 風呂場へ向かった。 「お兄ちゃんが‥ 茹でタコになっちゃった‥」 花音ちゃんは Tシャツもスカートも ビシャビシャにして言った‥ KIYOは‥ ぶっ倒れていた‥ ったく‥ ど~なってんのよ‥
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