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赤ん坊は‥
生まれた時に
拳を握りしめている。
幸せを持って生まれて来る。
と‥言うヤツがいた‥
俺は‥
そうは思わない。
握りしめているのは‥
イイ事ばかりじゃない
この世の中で生きる為の
武器だ‥
人それぞれ
アイテムは違うだろう。
金や地位や名誉‥
特技や才能‥
家族や友達‥
そして‥愛する人‥
人それぞれ
自分に与えられた武器で
この世の中を生きていく。
生きてるうちに
増える武器もあれば
誰かに奪われたり‥
なくしてしまったり‥
間違って捨ててしまったり‥
アレックスは‥
間違って捨ててしまった。
サユリと言う武器を‥
同じ様に
アレックスと言う武器を
なくしてしまったサユリは
シンという
新しい武器を手に入れた。
アレックスは
サユリの変わりとなる武器を
探したが‥
どれもしっくりこなかった。
アレックスは‥
もう間違って捨てる事は
無いだろう。
自分が捨てた武器が‥
二倍になってんだから‥
シンと言う武器まで
手に入れたんだから‥
人はそうやって
このイイ事ばかりじゃない
世の中を‥
武器をとっかえひっかえして
生きているんだ‥
俺に与えられた
最初の武器は‥
今は亡き両親だった。
母さんは消えて亡くなり‥
父さんは俺が自ら手離した‥
そして‥
花音を手に入れた‥
花音も無くしかけたが‥
オッサンという武器が
俺を拾い
花音をまた与えてくれた‥
そして‥
最大の武器
真理を手に入れた‥。
それだけじゃない‥
俺には‥こんなにも
たくさんの武器がある。
俺は‥
ミポりん‥花音‥清春‥
みんなの寝顔を見つめた‥
まだまだ戦えって事だな‥
また今日から休み無しか‥
仕方無い。
コレが終わったら‥
またバカンスを取ればイイ。
武器も休ませないとな‥
俺が一生付き合っていく
大切な武器だから‥
「真ぁ～理ぃ～‥
大好きだよぉ～‥」
ヌオっ‥!!?
清春が俺の手に
ブチューっとキスをした‥
コイツ‥
調子に乗りやがって‥
俺はそ～っと
布団から抜け出して‥
清春の腕に‥
“真理はKIYOのモノっ!!”
と‥マジックで書いてやった。
コイツの怒った顔が
見れないのは残念だ‥
想像しただけで‥笑える。
俺の束の間の休息は
こうして幕を閉じた‥
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