武器‥

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「おはようございます‥」 「ァン‥!?ヘックションっ!!」 うわ‥機嫌わるっ‥ 風邪‥? 「ぉお‥昨日は悪かったな‥」 「いえ‥そんな‥」 「早く準備しろ。 ‥ヘックションっ!!」 「あ‥ハイ‥」 ぁあ~緊張した‥ たった1日 会ってないだけなのに‥ ずっと会ってないみたいで‥ 緊張した‥ KIYOは昨日1日 バカンスと称して休んでいた‥ その前の夜‥私は居残りで レコーディングだったのだが‥ KIYOは久しぶりに 早い時間に帰宅した様で‥ 私が帰ると‥ “ハア~~っ!?”とか‥ “ァア~~~!?”とか‥ 2人の声が聞こえて‥ 夫婦喧嘩もするんだ‥と 思っていたのだが‥ 翌朝、2人の姿は無く‥ 【ルイちゃんへ‥ KIYOと実家に行って来ます。 夜には帰るつもりです。 おにぎり作ったから 良かったら食べてね。真理。】 と‥手紙と 美味しそうなおにぎりが 置いてあった。 KIYOと実家。か‥ 今日‥スタジオにいないんだ‥ KIYOがいても 緊張するだけなんだけど‥ いないとなると‥ 淋しいと言うか‥心細い。 「ルイ。Pからの課題だ。 1日でマスターしとく様に‥」 社長兼マネージャーが 私にデモテープを渡した。 (テープでは無いんだけど‥) 「Pは今日1日バカンスだ‥ どうせアイツの事だ‥ 今日は帰って来ないだろ(笑)」 「バカンス‥?」 「ぁあ。あれだけ 詰めて働いてるんだから 1日くらい 休息させてやらないとな‥ アイツが煮詰まって 爆発する方が厄介だ(笑)」 確かに‥ KIYOは毎日スタジオで‥ その合間に 雑誌の取材やラジオ‥ 原稿なども書いて‥ 昼前にキャッスルに戻り 真理さんと過ごす以外 ずっと働いていた‥ 一体いつ寝てるんだろう‥ と‥思うくらい‥ 「煮詰まる事‥ あるんですか?」 「ある、ある。緒中だよ‥ しかしアイツの凄い所は 必ず煮詰まった後に 凄いモノを生み出す。 だから‥コレも‥ 凄いモノになるよ(笑)」 そんな‥KIYOが 煮詰まっていた‥って事‥? そんな風に見えなかった‥ 曲だって‥ 3つも生み出していた‥ それも‥凄い作品だった‥ でも‥ 私はコレを聴いて‥ 社長の言った事が ウソじゃないと 思い知らされた‥ だって‥ この曲は‥ 今まで以上に 凄いモノだったから‥
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