武器‥

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「ルイ。今日は1日 レコーディングの 予定だったから この後の予定は無い。 君もリフレッシュしなさい。」 と‥社長に言われた‥ 1日レコーディングの 予定だったのは‥ 私だけじゃなくて‥ 私はみんなの予定を狂わせた。 「皆さんに御迷惑をかけて‥ スイマセンでした‥」 「なぁ~に‥心配しなくても みんなやる事は山積みだ(笑) バンドメンバーもKIYOの ダメ出しくらってる。」 「バンドメンバーが‥?」 「ぁあ。君が今歌ったのは‥ KIYOが仮録した物だ‥」 「じゃぁ‥」 「そう。ドラムもベースも 全部アイツ‥ アイツ一人で録った物だ。 だから‥君だけじゃない。 みんな同じだ。みんなが アイツの生んだモノを育てる。 そう堅苦しく考えるな‥ 君は君の思う様に 育てればいい。 もう君のモノなんだから‥ 君が思う様に歌えばいい。」 「私の思う様に‥」 「そう。心を開きなさい。 アイツの書いた曲に‥ 心を開きなさい。 きっとKIYOは‥ それを待っている。」 心を‥開く。 「‥有り難う御座います。」 社長は‥ 優しく微笑みながら ウンウン。と頷いた。 「あの‥社長‥実は‥ 社長に‥お話‥」 私は‥社長のあまりにも 暖かい笑顔に誘発され‥ 思わず母親の事を 口にしかけた時‥ それを遮る様に‥ 「社長っ!! またっ☆スポがっ!!」 慌てて事務所の人が 入って来た‥ 「何‥?☆スポ‥? 今度は何だ?」 「コレです‥」 「‥‥‥‥。 ホォ~‥よく撮れてんなぁ~」 「感心してる場合ですかっ!? ど~しましょう?」 「ぇえ~?イイんじゃない? よく撮れてるし♪ ホラ‥よく撮れてるだろ?」 「‥‥‥‥。」 私は‥ 何も言葉に出来なかった。 社長が私に見せてくれたのは‥ 海辺で 真理さんの膝枕で眠るKIYOと‥ 真理さんがKIYOに そっとキスをしている 写真だった‥ 映画のラストシーンの様な‥ 美しい写真だった。 私のとは違う‥ エンディング。 どうしたって‥ 私には無い ラストシーンだった。
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