武器‥

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“それで‥ルイは‥ 飛び出したんだね?” 社長は‥ さして驚く事も無く 私の話を聞いた。 社長は‥知っていた。 ルイちゃんの気持ちを‥ 「社長‥ルイちゃん‥ 大丈夫ですよね? 変な事考えたり‥」 “大丈夫‥。あの子は‥ そんなにヤワじゃ無い。 なんたって‥ 私の娘だからね。” 私の‥娘‥? って‥言った‥? 「社‥長‥?」 “アハハハ‥ 言ってしまった(笑) スッキリしたよ‥” また軽いな‥ そんな重大な事を‥ 笑ってるし‥ 「ルイちゃんは‥その事‥」 “知っている。 まっ‥また詳しい事は 今度って事で‥ ルイの事は私に任せなさい。 真理ちゃんは 気にしなくていいから‥” そ~言われても‥ 「あの‥ルイちゃんと‥ お話させて下さい。」 “んん‥ ルイにはそう伝える。” そ~だよね‥ ルイちゃんが私に 会ってくれるとは限らない。 「お願いします‥」 社長は‥ とりあえずルイが見つかったら連絡するから。 と言って電話を切った。 しかし‥ 社長のいきなりの 爆弾発言。 ルイちゃんが‥ 社長の娘だったなんて‥ ルイちゃんも‥ 知っていただなんて‥ ルイちゃんは‥ 母親はルイちゃんを 産んですぐに他界し‥ お婆ちゃんと暮らしていて‥ そのお婆ちゃんも今は この世にはいない‥ と言ってた‥ 父親の話は‥していなかった。 私も‥繊細な話なので 突っ込んで聞く事は無かった。 それは‥ 言えなかったのかも知れない。 社長と‥ ルイちゃんの立場を考えると‥ 誰にも言えなかったんじゃ ないだろうか‥ KIYOの事‥ 父親の事‥ 言えない事が多すぎて‥ 苦しかったんじゃ ないだろうか‥ ルイちゃんに必要だったのは‥ 黙って話を聞いてくれる耳。 それは‥ 私でも‥KIYOでも‥ 社長でもナイ 全くの第三者でなくては ならなかった。 第三者‥ ルイちゃんの話を聞く 第三者が‥ 現れないだろうか‥ 私は‥ 自分が何もデキない事が もどかしく‥ リビングを 熊の様に歩き回っていた‥ ルイちゃんが‥ もうその第三者に 出会っていた事も知らずに‥
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