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「真理り~ん♪
ロールキャベツ‥
すっごい美味しかったってっ♪
レジピィ~‥?
教えて欲しいってっ♪」
レジピィ~じゃなくて‥
レシピね‥
花音ちゃんは
帰って来るなり
パタパタとタッパーを持って
やって来た。
「そ~なの‥?
シンはお料理するの‥?」
タッパーは
綺麗に洗って返却された。
「うん♪シンはね~
お姉ちゃんと二人なんだって
だからシンはお料理も
お洗濯もするよ♪」
花音ちゃんは
自慢気に言った‥
「お姉さんと
二人暮らしなんだ‥」
花音ちゃんはお兄ちゃん。
シンはお姉さんか‥
「それでねっ!
シンのお姉ちゃんにお家に
お呼ばれされたのっ!
行っていい?」
花音ちゃんは
私の腕を掴んで言った‥
「んん‥私は‥
行っていいと思うよ‥
でも‥ホラ‥
あのお方が‥」
私はバカデカいテレビを
指差した‥
ちょうどテレビのCMに
KIYOが出ていた‥
「お兄ちゃん今日は
何時に帰って来る?」
「今日はそんなに
遅くならないよ‥
多分‥9時くらい?」
「うん。わかった。
お兄ちゃんが帰って来たら
聞いてみるっ♪
真理りん。今日の夕食は何?」
「今日は‥
酢豚の予定だけど‥
まだ用意してないから
変更出来るよ?
何か食べたいのある?」
「んじゃ真理りん!
お鍋にしてっ!
鶏団子いっぱいのヤツ!
私も鶏団子一緒に作る♪」
「ぅん。いいよ。
じゃ~一緒にお買い物行く?」
「うん♪着替えて来る♪」
花音ちゃんは
パタパタと
自分の部屋に消えた。
花音ちゃんは‥
鶏団子でKIYOをツルつもりだ‥
KIYOが大好きな‥
鶏団子で‥
そもそも‥
花音ちゃんが夕食を
リクエストする事は
殆ど無い‥
ましてや
メニューを変更してまで‥
そこまでして
KIYOを説得し
シンのお姉さんに
会いたいんだと思うと‥
可愛くて‥
応援したくなってしまう。
果たして‥
KIYOが鶏団子に負けるかは‥
定かでは無いが‥
その花音ちゃんの
心意気は‥
きっとKIYOにも
通じるだろう。
私は‥
そう信じている。
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