何者ですか‥?

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“お兄ちゃん‥嫌いっ!! お兄ちゃん‥嫌いっ!! お兄ちゃん‥嫌いっ!!” “嫌い”ゆわれた‥ 大好きな花音に‥ “嫌い”ゆわれた‥ ズーーーーン‥‥‥。 俺は魂が抜け出たみたいに テーブルにアゴを置いて ダラーーン‥と なってしまった‥ 「何やってんのよ‥ KIYOが泣いてる場合じゃ 無いでしょ~?」 真理に言われて 初めて気がついた‥ 俺‥泣いとる。 「嫌い‥ゆわれた‥」 「聞いてたわよっ‥ ったく‥言った 花音ちゃんだって もっと‥ツライわよ‥ KIYOが怒るのも 解らないワケじゃ無いけど‥ KIYO‥お鍋‥ 見てみなさい‥」 お鍋‥ ジッ‥。見てみた。 「グツグツしとる‥。」 「そ~じゃないわよっ! 中を良く見てみなさいって 言ってるのっ!!」 中‥? 俺はお鍋の中に 長い箸を入れた‥ 「あ‥‥‥」 鍋の底から‥ 微妙なハート型の 鶏団子が出て来た‥ 「花音ちゃん‥ 言ってたわよ‥ 昔‥お兄ちゃんが お鍋にウインナーを 入れてくれた‥って。 ウインナーが かくれんぼしてて‥ それを見つけるのが すごく楽しかった。って‥ お兄ちゃんと食べるお鍋が‥ 大好きだった。って‥」 花音‥ 覚えててくれたんだ‥ 「確かに‥ KIYOの大好物でご機嫌を とろうとしたけど‥ それっていけない事‥? それ以前に‥ 花音ちゃんは‥KIYOに 喜んで欲しかったのよ‥ 昔‥自分が 喜んで食べたみたいに‥ KIYOに‥そのハートの 鶏団子を見つけて‥ 喜んで欲しかったのよ‥」 俺だけじゃない‥ 花音にとっても‥ お鍋は‥ 家族の象徴なのかも知れない。 バシィーーーっ!! 「泣いてる場合じゃ ないでしょっ!!!」 真理に背中を思いっきり 叩かれた‥ 「ど~したらイイ~? 何て言えばイイ~? 俺‥嫌いっ!!ゆわれた‥」 そ~だ‥ 嫌い‥ゆわれた‥ 「だからぁ‥ 嫌いゆわれたって 大好きなんでしょ!!! そ~言えばイイでしょっ!! こんなに残してっ!! お鍋は責任持って 食べて貰いますからねっ!! ホラっ!! 仲直りして花音ちゃん 連れて来るっ!! 早く行きなさいっ!!」 真理は‥長い箸を 振り回して言った‥ まるで‥ サーカスの ライオン調教師みたいだ‥ 俺は鬼調教師にケツを叩かれ 花音の部屋に向かった‥ 初めての兄妹喧嘩の‥ 仲直りをしに‥
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