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「スゴイねぇ~っ♪
シン。コックさんみたい~♪」
照れるっ‥。
今日のメニューは‥
とりの唐揚げ‥酢豚‥
天津飯‥ワカメスープ‥
満島の為に‥
張り切ってしまった‥
「ホラ‥花音ちゃん‥
あったかいうちに食べて‥」
と‥奈由美が言った。
お前が言うな‥
「いただきま~すっ♪」
何か‥緊張するっ‥
パクっ♪‥‥
モグモグ‥
ドキドキする。
何だ?この緊張感‥
「‥美味しい~っ♪」
良かった‥‥
「シン♪ホント美味しいよ♪」
「アリガト‥」
照れるっ‥。
「お兄ちゃんと真理リンにも
食べさせてあげたいなぁ~♪」
お兄ちゃん‥。
忘れてた‥
俺にはまだ‥
大きな試練があるんだった‥
こんな緊張感‥
足元にも及ばないんだろな‥
それにしても‥
美味そうに食うな‥
こんな顔して食われたら‥
こっちは‥すでに
腹いっぱいになっちまうよ‥
俺はいつも生きる為‥
飯を作り食べて来た。
奈由美が美味しいと言って
食べてくれるのも
悪い気はしないが‥
奈由美にも‥
生きてもらう為‥
飯を作ってきた。
喜んで貰おう。とか‥
美味そうに食う顔がみたい。
とか‥
そんな事は二の次だった。
でも‥
今日は違った。
満島は‥
何が好きだろう‥?
嫌いなモノはあるだろうか?
昨日は何を食べたんだろう?
今朝からずっと‥
満島の事を考えていた。
そうして作った飯を
こんな美味そうに
食べられたら‥
コックも悪くない。
と思えた。
「コレだけじゃ
無いのよねぇ~?
とっておきが
あるんだよねぇ~」
また‥奈由美が余計な事を‥
「ウッサイっ!!ボケッ!!!
とっておきをお前が
バラしてんじゃね~よっ!!!」
「とっておき‥?」
満島は酢豚のタレを
口の端につけて首を傾げた。
可愛い‥
思わず指で取って
ペロッとしたくなる。
絶対デキないけど‥
「デザートも‥あるから‥」
「ホント~~っ!!?
楽しみぃ~♪」
俺も‥楽しみだよ‥
満島が‥
俺の作ったデザートを
どんな顔をして食べるのか‥
だって‥
俺が唯一みた夢は‥
コックじゃなくて‥
パティシエだから‥
こんなガラだし‥
誰にも言った事無いけど‥
「アラタは‥
お菓子職人になるのが
子供の時からの
夢なのよねぇ~?」
エっ‥!?
バレてた‥?
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