お兄ちゃんです‥

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「お兄ちゃんはね‥ 目が茶色いの。 紅茶みたいでね‥ すごく綺麗で‥ 髪の毛はね‥ 薄い茶色でね‥ ミルクティーみたいなの♪」 その例えが‥ 可愛いと思った。 「私もお兄ちゃんと 一緒がイイ!って 言ったらね‥ お兄ちゃんが 金髪にしちゃったの(笑) 私はミルクティーに なりたかったんだけど‥ お兄ちゃんと一緒だから ま、いっか♪と思った。」 満島は‥ ホントに‥楽しそうに‥ その頃にタイムスリップして 笑ってる様だった。 「紅茶の方は‥?」 お兄ちゃんは‥ どうしたんだろう‥ 「んと‥目はね‥ お兄ちゃんが‥ 私の目をジッっと見てね‥ “俺の目を見てごらん? 花音がいるだろ? 花音の目の中にも‥ 俺がいる。 一緒だよ‥ 俺の目の中には‥ いつだって花音がいる。 ずっと‥花音と一緒だよ。” って言ったの。」 一緒‥。 目の色を一緒にする。 という意味では無く‥ ずっと‥一緒にいる。 ずっと‥目に‥ 妹を映し出す。 と‥言う意味の一緒。 日本語って‥難しい。 でも‥ 日本語って‥素晴らしい。 と‥思った。 「お兄ちゃんはね‥ “俺の目の色は‥ 花音色だよ♪”って 言って笑ったの。(笑)」 「じゃぁ‥満島のは‥ お兄ちゃん色だ‥」 「そ~なの♪ それからは‥ みんなに何を言われても‥ 全然平気♪ 自分の目の色も‥ 髪の毛の色も‥ 今は全然気にならないよっ♪」 確かに‥ 満島はその目の色も‥ 髪の色も‥ すごく似合っている。 「ねえ‥満島の父ちゃんと 母ちゃんって‥」 「生まれた時から いなかったよ。 その代わり私には ずっとお兄ちゃんが いたから♪」 それがど~したの? とでも言う様に 満島は言った‥ 「早くシンに お兄ちゃん合わしたいなっ♪」 俺‥絶対‥蜂の巣だな。 そこまで大切に育ててきた 妹‥ 俺はきっと‥ 泥棒ネコなんだろうな‥ 「でも‥仕事忙しいんだろ?」 「う~ん‥最近はマシだよ。 お家にいてる事も多いし‥」 そ~なんだ‥ 俺の処刑の日も近そうだな‥ その時‥ ♪♪~♪~♪♪♪‥ 鬼平のテーマ‥ 満島の携帯が鳴った‥ 「あっ♪お兄ちゃんだっ♪」 ゲッ‥ 噂をすれば‥ すげーお兄ちゃんだな‥ 「うんっ♪‥‥解ったっ♪ うんっ♪じゃあねバイバイ♪」 まるで‥恋人同士の電話だな‥ 「シン♪お兄ちゃんが 今から顔出せって‥♪」 満島はニヘっと笑った‥ エ~~~~~っ!! 今からぁ~っ!! 遺書書いてね~しっ! 心の準備がぁ~‥
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