お兄ちゃんです‥

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マジかよ‥ チチ牛にキレるって‥ 何の仕事? 近頃のギャングは 牧場とかすんの? 姉御は‥ 急に呼び出されたにも 関わらず 黒いトレーナー生地の ワンピースに‥ 細いデニムを履いて‥ 一つにまとめた 髪の毛の隙間からのぞく うなじが‥色っぽかった。 姉御って感じだ‥ 緊張はマックスだったが‥ 満島が‥ずっと楽しそうに 笑っているから‥ 何故か‥処刑も悪くないかも‥ と思えた。 姉御はエレベーターに乗ると 何やら鍵を突っ込んで 秘密のボタンを押した。 マジかよっ‥ 最上階? 多分‥住人しか 上がって来れないんだろう‥ エレベーターを出ると‥ そこは‥別世界だった。 マジかよっ‥ こんな‥ カッコで来ちまったよ‥ えっ‥? どこで靴脱ぐの‥? ここ‥玄関なの‥? 俺‥ここで住めるわ‥ 見るモノ全てに戸惑った。 姉御は俺にフワフワの スリッパを出してくれた‥ 満島は‥ 黄色いクマの スリッパを履いた。 姉御は‥ ネズミの女の子の スリッパを履いた。 ボスのは‥ ヒョウ柄とか‥? まさか‥ ネズミの男の子じゃ無いだろ~ 「シンっ♪こっちこっち♪」 俺は満島に服を引っぱられ 長い廊下を進み‥ それはそれは広い リビングに通された‥ コレがリビング? コレがリビングなら‥ うちのリビングは‥ 床の間くらいだぞ? リビングの横には キッチンスタジア○みたいな 本格的キッチンがあった。 すげー‥ コレなら料理のしがいが ありそ~だ‥ 俺はいかにも高級そ~な ソファーに座らされた‥ ん‥? 何だ‥?クッションか‥? 何じゃこりゃ? 「ジンベイ親方♪ それはお兄ちゃんのだよ♪」 えっ‥!? お兄ちゃんのっ!!? 俺は慌てて ケツの下からお兄ちゃんの ジンベイ親方を抜き取った。 ヤッベ~‥ 蜂の巣の後コンクリ詰めに されるとこだった。 その時‥ 何となく‥殺気を感じた。 背筋がゾクゾクする様な‥ その殺気の方に 顔を向けると‥ いかにもギャングの サングラスに ギャングっぽく無い ニットの帽子に‥ 紺のニットカーデに‥ カーゴパンツ。 足元は‥ 黄色いクマのスリッパ。 違う。違う。絶対違う。 ギャングが 黄色いクマのスリッパなんて 履くワケ無い! 「花音のお兄ちゃんだが‥ お前がシンか‥」 エ~~~っ!!! 俺は既に‥ 失神しそうになった‥ しかし‥ コレはまだ序の口だった‥ まさか‥ ギャングの正体が‥ “Moonscape”の KIYOだったなんて‥
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