お兄ちゃんです‥

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何なの‥? コレは夢か幻か‥? それとも‥ 俺は既にギャングに 蜂の巣にされて‥ あの世なのか‥? お兄ちゃんが‥ 帽子とサングラスを取った時‥ 俺の目の前に‥ KIYOが立っていて‥ 俺は一瞬の間に 色んな事を考えた。 そして行き着いた答えは‥ “ドッキリだっ!!!” カメラを探してたら‥ 姉御にバッサリ斬られた。 ドッキリでも無く‥ 夢でも幻でも‥ あの世でも無く‥ コレは‥現実だった。 俺は‥腹をくくった。 目の前にいるのは‥ 紛れもなく‥ “Moonscape”のボーカル KIYOで‥ 腕のタトゥーも本物で‥ イイ匂いがして‥ もの凄いオーラと目力で‥ しびれる様な声で‥ ぶっ倒れそうだけど‥ その前に‥ この人は‥ 満島のお兄ちゃんだ。 KIYOだと思わず‥ 満島のお兄ちゃんだと‥ 必死にそう思う事にした‥ お兄ちゃんの目は‥ 満島が言ったみたいに 紅茶みたいだったけど‥ そんな‥ 優雅な気分にはなれない。 目を反らしたら‥ 一瞬で噛み殺されそうで‥ かといって‥ ジッっと見てるのも‥ キツかった。 こんな‥ 力強い目を見たのは‥ 初めてだった‥ そして‥ お兄ちゃんは‥ 俺に‥“生きろ”と言った。 今まで‥ 色んな事があったけど‥ “死にたい”とは 思わなかったし‥ かといって‥ “生きたい”とも 思わなかった。 いつかは‥ 死ぬんだろう。と思って 生きてきた。 お兄ちゃんは‥ 俺に“生きる”理由を くれた様な気がした。 生きる理由があると‥ あんな目になるんだろうか‥ と‥思った。 お兄ちゃんは‥ 始めから‥ 俺を処刑なんか する気はなかった。 お兄ちゃんが言う通り‥ 俺がいてもいなくても‥ お兄ちゃんは一生 彼女を守って 生きていくだけの事。 お兄ちゃんの覚悟の 足元にも及ばないかも 知れない。 それでも‥ 俺は‥ 食らいついていくしかない。 俺は‥ 彼女を守る事を‥ “生きる理由”に したのだから‥ それにしても‥ KIYOって‥ こんなキャラだったの‥? 奈由美が知ったら‥ 失神するだろな‥ 「テメ~!!いつまで 親方抱いてんだよっ!! 抱き癖がつくだろっ!! 離せっ!!」 エっ‥? 抱き癖って‥ お兄ちゃんは ジンベイ親方を奪い 親方を枕にして ソファーにゴロンと 横になった‥ 「花音~♪ うどん屋さんして~♪」 「喜んでぇぃ♪」 満島はお兄ちゃんの腰を 足でフミフミした‥ 何じゃ‥この兄妹‥
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