お兄ちゃんです‥

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「ビックリしたでしょ‥」 俺の前にお洒落な 焼き物のカップが置かれた‥ 珈琲のイイ匂い‥ そして‥ チョコの甘い匂い‥ お兄ちゃんの前には‥ またしても‥ 黄色いクマのカップ。 「あっ‥ アリガトーゴザイマス‥」 黄色いクマだらけだ‥ イメージが‥ KIYOのイメージが‥ 「でも‥イイ男でしょ?」 姉御は‥ お兄ちゃんの瞳の色の様な 紅茶を口にして言った。 「はっ‥はい。」 テレビで見るより‥ ずっとイイ男だ‥ こんなにキャラが違うのは‥ ビックリだが‥ 妹を溺愛するお兄ちゃんは‥ イイ男だった。 「ヤクザかギャングだと 思ってたんでしょ‥?」 姉御はフフフと笑った。 バレてた‥ 俺は黙って頷いた。 「蜂の巣とか‥処刑とか‥ 笑いそうになったわ(笑)」 そ~言って姉御は笑った。 するとまた‥ 背筋がヒンヤリした‥ 「花音探偵‥あの2人‥ 怪しいんですけど‥」 「お兄ちゃん探偵‥ 確かに‥楽しそうですな‥」 兄妹2人は並んで 黄色いクマのカップを持って ジッっと俺と姉御を 見ていた‥ うどん屋の次は‥探偵‥!? 「イイのイイの。 いつもの事だから‥ 気にしないでね♪」 姉御はシレーっと 紅茶を飲んだ。 気にするな‥って‥ 「花音探偵‥ スルーされてます‥ 完全に放置プレーです‥」 「そりゃ~ 捨て置きなりませんな‥ お兄ちゃん探偵‥ ここは拙者が‥」 コレ‥気になるだろ? 完全に一人 時代がおかしいじゃん‥ 「花音探偵‥任せた‥」 「御意っ♪必殺‥‥」 エっ!!?ウソっ?乱れ斬り? 「ジンベイ斬りぃ~~っ!! ワチョ~っ!!!!!」 俺の背中にジンベイ親方が 飛んで来た‥ 「ゴメンね‥死んだフリっ‥」 姉御が俺に小声で言ったので‥俺はバタッと倒れてみた‥ 「シン‥大丈夫‥? 痛かった?」 花音探偵は俺をゆさゆさした‥ 何か‥嬉しいかも。 「花音探偵っ!! 容赦しちゃいかんっ!! トドメを刺しなさいっ!!」 お兄ちゃん探偵‥恐い。 「そんな事 出来るワケないじゃんっ!! お兄ちゃん探偵のバカっ!」 すげー‥嬉しいかも。 「バカっ‥!?バカ‥? ウッ!!バカゆわれた‥‥」 お兄ちゃん探偵は‥ 姉御の肩で泣いていた‥ 姉御は苦笑いしながらも‥ お兄ちゃんの頭を撫でていた‥ 初めて‥ 家族って‥イイな。 と‥思った。 人の家族が‥ 羨ましい。と‥思った。
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