都築真理です‥

2/12
前へ
/415ページ
次へ
2月22日(猫の日) 車の時計は PM08:47 と‥表示していた。 野田さんが運転をし‥ 社長が助手席に座り‥ 私とKIYOは 後ろで並んで座っていた‥ SPは‥いない。 車は‥夜の市役所で止まった。 「行くぞ‥」 KIYOは私の腕を引っ張って 車を降りた‥ 「はっ‥はい。」 私はKIYOに引かれるまま KIYOの少し後ろを歩いた。 KIYOの長い髪が 風で揺れていた‥ KIYOはキャップを 深くかぶりサングラスと マスクをしていたが‥ 風に揺れる髪の毛と‥ 独特のオーラで‥ すぐにバレてしまう気がした‥ 市役所の玄関は 締まっているので‥ 私達は夜間通用口から 中に入った。 すると‥ 同じ様に婚姻届を出しに来たであろうカップルがいた‥ ヤバイっ‥!! バレちゃうっ!! 私はズンズン進むKIYOを 引き止める様に 立ち止まった。 「何っ‥!?」 KIYOは片手をポッケに 入れたまま振り返った‥ 「何って‥人がいるじゃん! 戻ろっ!!まだ 気付かれてないからっ!!」 「ァア~っ!!? 何で戻るんだよっ!! そりゃ人ぐらいいるだろっ!? それが何だよ? 明日にはど~せバレんだから 別にいいだろっ!! 行くぞっ!!」 ハ‥!? 明日には‥バレる? ど~ゆ~事‥? 「ちょっとっ!! 何してんのっ‥!?」 KIYOはサングラスとマスクを 外しズンズンと歩き出した。 カップルは 婚姻届を出し終わり‥ 私達の方へ向かって 歩いてきた‥ そして‥ カップルは‥ ギョッとした顔をして‥ 私達を二度見した‥ 「今晩わ♪おめでとさん‥」 何と‥KIYOはカップルに 挨拶をした‥ 「キッ‥キッ‥キッ‥」 男の子はキッキッ言った。 女の子は口を手で押さえたまま声も出ない様だった‥ 「キッキッKIYOっ!? あっ‥あのっ‥ いつも聴いてますっ! あのっ‥応援してますっ!! 頑張って下さいっ!!」 男の子は‥ たまに声を 裏返しながら言った‥ KIYOは‥ クルっと振り返り ズンズンと男の子の 前まで行った。 私も同じ様に振り回された‥ 「アリガトー‥ お前らも‥幸せになれよ。」 「‥ハイっ!!! 絶対っ!!幸せになりますっ!!」 カップルは‥ KIYOに幸せになる事を‥ 誓った。 KIYOは‥ 神でも無ければ 神父でも無いのだが‥ このカップルは‥ KIYOに誓った。
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13794人が本棚に入れています
本棚に追加