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「真理‥良かったわね‥
本当に綺麗よ‥
おめでとう‥」
「母さんっ‥!?」
メイクもヘアーも
完成間近‥
そ~っと部屋の扉が開いて
母さんが入って来た。
「来てくれてたの‥!?」
「さっき着いたの‥
ポールちゃんとマイクちゃんが迎えに来てくれてねっ(笑)
オヌグルも喜んで
食べてくれたわよっ♪」
そ~だったんだ‥
今日はSPじゃなく
野田さんが運転してたのは‥
KIYOが母さんを
連れて来る為に
ポールとマイクを
迎えに出したんだ‥
「真理‥幸せになるのよ‥」
「ありがとう‥母さん。
母さん‥
今まで本当に‥」
「やめてよっ!
母さんソレ嫌っ!
今生の別れみたいで嫌っ!
行って来ま~す♪くらいに
してよっ!」
哲子さんはプッと笑った。
行って来ま~す♪か‥
母さんらしいな‥
「解った。
母さん‥私‥
KIYOの元へ‥
行って来ます。
言っときますけど‥
帰るつもりは
ありませんから。」
「あったり前でしょ!
殿に返品されない様に
しなさいよっ!」
「ハイ。返品されない様に
努力します‥
母さん。アリガトー。」
「んん‥。」
母さんの“んん‥。”には‥
たくさんの愛がこもっていた。
「じゃ‥行きますか?」
哲子さんは
一度部屋を出て‥
「行ってらっしゃい♪
旦那様がお待ちかねよ♪」
と言った‥
私は‥
母さんと腕を組んで‥
花音ちゃんに貰った
ブーケを持って
部屋を出た。
マンションは‥
いつの間にか‥
結婚式場となっていた。
リビングの扉が開くと‥
生バンドの演奏が響き渡り‥
花音ちゃんと清春の後を
私と母さんは歩いた。
そして‥
リビングの一番奥に‥
グレーのスーツを着た
KIYOが立っていた‥
「殿‥真理をお願いします‥
返品不可ですよ‥」
母さんは私をKIYOに
引き渡した。
「‥‥‥。」
ん‥?
何とか言ってよ‥
KIYOは黙って
私をジロジロと見ていた‥
「ミポリン‥
返せって言われても‥
絶対‥返さねーから‥」
母さんは‥
幸せそうに笑った。
「真理‥綺麗‥
腰抜かしそ~になった‥」
KIYOは私の耳元でボソッと
言うと‥フッっと笑った。
シテヤッタリだ‥
私も嬉しくて笑った‥
けど‥
世界一幸せそうな顔は‥
私でもKIYOでも無くて‥
母さんかも知れない。
私とKIYOは‥
母さんに負けた。
母さんの笑顔は‥
今‥
世界一幸せな笑顔だった‥
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