都築真理です‥

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この日まで‥ ハードだった‥ 婚約者と言う肩書きに あぐらをかきたくは 無かった。 俺は一刻も早く 入籍とやらがしたかったのに‥ やる事は山積みで‥ 仕事は徐々に セーブ出来る様になったが‥ ドラマや映画が無い分 時間は増えたが‥ その代わり 創作活動の仕事が増えた‥ 中でも‥ 大変だったのは‥ 舞台の楽曲制作だった。 舞台上の音楽を 全て任された‥ 舞台音楽って‥ 何‥? そこから始まった。 何でこんな仕事を 受けたかと言うと‥ モジャ。 モジャモジャ頭は ホスト時代の仲間で 今は劇団の団長で‥ 演出家でもある。 小さいながらに 今ではそこそこ有名に なりつつある 注目の劇団らしい‥ (オッサンが言ってた。) そいつからの 直々の依頼だった。 モジャには‥ 昔よく世話になった‥ 断る理由は無かった。 舞台なんて‥ オッサンに連れられて 何度か社交辞令で 行った事はあるが‥ 最後まで見たためしが無い。 お約束の様に 俺の貴重な睡眠時間になった‥ モジャと何度も 打ち合わせをし‥ 他の楽曲制作もしながら 同時進行で 仕事をこなしていた。 ちょうど‥ 山場を越えあと一息という頃‥ やっと‥ お許しが出た。 お許しは‥ 突然やって来た。 モジャと打ち合わせ中‥ オッサンからの電話‥ “も~イイぞ~♪” かくれんぼかっ‥ と‥ツッコミたくなる様な 一言だったが‥ 俺には‥ 待ちに待った一言だった。 「んじゃ‥明日で‥」 何なら 今からだってイイくらいだ‥ “そ~ゆ~と思ったわ(笑)” 笑われた。 “明日は仏滅だ‥ それよりな‥” 仏滅なんて気にしないが‥ ん~‥ 確かに‥女は サプライズとやらに 弱いと聞いた事がある‥ 真理の‥ビックリした顔‥ 見たい気がする。 真理の喜ぶ顔‥ 見たい気がする。 真理が‥俺の事‥ もっと好きになったら‥ 言う事無い。 「んじゃ‥サプライズで‥」 こうして‥ 約一週間後に 入籍する事になった。 全ては真理の 知らない所で‥ 事は運んでいた‥ 2月22日‥ 猫の日。 俺と真理の 結婚記念日に向けて‥
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