都築真理です‥

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俺は‥ ほとんどする事が無かった。 哲子が何着か ドレスの写真を持って来たが‥ 「真理のドレスは 俺が用意する。」 「そ~なの?じゃあ‥ それに合わせて用意するから 大体の雰囲気教えなさい‥」 「雰囲気‥?赤。 めっちゃ赤。んで‥」 「赤~っ!!? 白でしょ~!?花嫁は白よ~!」 「俺はあのドレスが イイんだよっ!!」 俺が真理にプレゼントした‥ 真っ赤なドレス。 ロスで‥ 真理と結ばれた時の‥ 思い出のドレス。 花嫁がドレスにこだわるのは わかるけど‥ 花婿がここまでドレスに 執着するなんて‥ と‥哲子に鼻で笑われた。 ムカつくが‥ 仕方無い。 あの日‥ 真っ赤なドレスを着た真理は‥ 宝石みたいで‥ 手を出すのが怖いけど‥ 手に取らずにはいられない‥ 宝石みたいだった。 俺はあの日‥ 宝石に魅せられ‥ 今も‥ 宝石に魅せられ続けている。 モジャが言った通り‥ 俺は真理以外‥ 役に立たない。 それ以前に‥ 性欲自体が無かった。 俺にとってカラダは 仕事の道具にしか 過ぎなかった。 好きでも無い女と寝る。 それは金儲けの為‥ 女をアッチの世界に 連れて行き‥ 俺は行ったフリをする。 なんて‥ 俺達の間では‥ よくある事だった。 あの世界から足を洗い この世界に入ってからは 本当に俺は大丈夫か? と‥思うくらい 女に興味が無かった。 かと言って‥ 哲子の世界にも 興味は無い。 俺のオスの本能を 呼び覚ましたのは‥ 真理だった。 しかし‥ それは‥真理限定だった。 昨日‥ モジャの舞台の 顔合わせがあり‥ 俺も呼ばれたので 顔を出した。 その後‥ 食事会になり‥ やたらしつこいチチ牛がいた。 劇団の看板女優。らしい‥ 俺は花音の事が心配で‥ 紳士的に断っていた‥ だって‥ 何も‥感じ無い。 やっぱり‥興味無い。 俺のオスの本能を かきたてるのは‥ 今‥俺の腕の中で スースーと眠る 真理だけの様だ‥ 101匹ワンコみたいに いっぱい俺の跡をつけて‥ 101匹ワンコがいても‥ 俺は真理ワンコを 見つけ出す自信がある。 1001匹でも‥ 10001匹でも‥ 必ず見つけ出す。 真理が呼び覚ましてくれた 俺のオスの本能で‥。
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