都築真理です‥

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私は‥ 不覚にも眠ってしまった‥ せっかくの二人っきりの デートなのに‥ これじゃ‥ 手ぇ抜いてんじゃね~ぞっ!! と‥言われても 仕方無い。 しかし‥ 旦那様からのお叱りは 無かった。 KIYOは‥ 私が眠っている間に 白いバラを買っていた‥ 白いバラは‥ KIYOにとてもよく似合う。 お墓にお供えする様な 花じゃ無いかも知れないが‥ 私もいつも 白いバラを持って行く。 お父さんのお葬式も‥ 白いバラが飾られていたから‥ 「ごめん‥寝ちゃって‥」 駐車場で車を止め 二人でお墓まで 手を繋いで歩いた‥ 「最近真理は眠り姫だな‥」 確かに‥ よく眠れて仕方無い。 寝ても寝ても眠れるから怖い‥ 「体力がある証拠だ‥ 年とると眠れなくなんだろ?」 何で‥私に聞くかな? そりゃKIYOより 6つも上だけども‥ 「まだ若いって事だろ?」 KIYOはフフっと 笑いながら言った‥ 「そ~ゆ~事に しといて下さい‥」 KIYOの両親の お墓の前に来て‥ 「あ‥まただ‥」 私はお墓に供えられた 花を見て言った‥ 「ん‥?いつもあんの?」 「ぅん‥いつもじゃ 無いんだけど‥たまにね‥ 供えてあるの‥ お父さんのお知り合いかな? って思ってたんだけど‥ 心当たりある?」 その花は もう枯れかけていたが‥ 白いバラだった。 いつも‥白いバラが 供えられていたから‥ お父さんのお知り合いとは 考えにくかったのだが‥ KIYOは‥少し黙って‥ 「イヤ‥ 心当たりはねーけど‥ 父さんにも 花を持って来てくれる 女の一人もいたかも 知んねーしな‥」 KIYOは笑ってごまかした。 「そ~ね‥ あんなにテレビで 報道されちゃったしね‥ お父さんの昔の彼女かもね‥ 初恋の人とか?」 私も笑ってごまかした。 私は‥ 得体の知れない何かに‥ 胸騒ぎを覚えていた‥ きっと‥ KIYOも同じなのだろう。 何なんだろう‥ 最近‥ こんな事が多い。 急に‥ 霊感が強くなったみたいな‥ そんな感じだった‥ 私とKIYOは霊感を振り払う様にお墓を綺麗にして‥ お父さんとお母さんに 報告をした‥ 「父さん‥母さん‥ 都築真理ちゃんです。 この墓の未来の住人です。 その時は‥ 仲良くしてやって下さい‥」 「宜しくお願い致します‥」 私は‥ 未来のお家に頭を下げた‥ KIYOと‥ 灰になっても一緒‥ 私が‥ 都築真理になった事を‥ 一番実感した瞬間だった‥
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