血縁‥

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ぅぅぅ~~‥ 朝方から‥ お兄ちゃんの電話で 叩き起こされた‥ 確かに‥ “お兄ちゃんはお仕事で お泊まりなんだってっ♪” と‥満島から聞いた時‥ ホッとしたのは‥ 事実で‥ でも‥ 羽を伸ばすとか‥ 羽目を外すとか‥ そんな事‥ これっぽっちも‥ ‥思って無い。 と言えば‥ウソか‥。 すげーお兄ちゃんだな‥ って言うか‥ KIYOなんだよな‥ 先週入籍して‥ またエライ騒ぎになってたな‥ 未だに‥ 信じられない‥ そのKIYOから‥ 朝方から電話で 起こされるなんて‥ 「シンっ♪ 今日の夕食は何っ?」 満島が俺の腕にしがみついて クリクリの青い目で 俺を見上げた‥ 「え‥あ‥ 今日は‥寒いし‥ トマト鍋にしようかと‥」 俺の顔はきっと‥ 完熟トマトになってるだろう‥ 「トマト鍋大好きぃ~~♪ パスタとリゾット 両方しよ~ねっ♪」 そんなに‥ くっつかれたら‥ 俺には無い二つの膨らみが‥ 当たっとる‥ 「うっ‥ぅん‥。」 ヤバイ。 満島には無いモノが‥ 反応してしまう‥ 「みっ満島! カート取って来るからっ‥ 待っててっ‥」 「うんっ♪」 ヤバイ。ヤバイ。 俺はスーパーの入り口に カートを取りに行った‥ 満島はカートを転がすのが 大好きで‥ 無駄にクネクネしながら 転がしている‥ 目を離すと‥ 暴走している事もある‥ ホラ‥ またいない。 あっ‥!! 危ないっ!! ゴンっ‥!!!!!! 満島の押すカートが 女性の持っていたカゴに 直撃してしまった‥ 「スイマセンでしたっ!! 大丈夫ですか‥?」 満島はその女性に ペコっと頭を下げた‥ 「‥‥‥‥。」 俺は‥ その女性を見て 固まってしまった‥ 「アラタ‥ 大きくなって‥ アラタ‥ごめんね‥‥」 その女性は‥ 紛れもなく‥ 俺の‥母親だった‥ 俺は満島の腕を掴み 母親に背を向けて ズンズン歩き出した‥ 「アラタっ!!待ってっ!! 母ちゃんの話を聞いてっ!!」 聞かなくても‥ 解ってる。 きっと続きはこうだ‥ “母ちゃんには お前達しかいない‥ 母ちゃんはお前達さえ そばに居てくれたらいい‥” 俺は‥ 母ちゃんが そばに居なくても‥ 母ちゃんが言った通り‥ 大きくなった‥ 俺は‥ 生きていける。
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