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「シンはいいの‥？」
満島は丸い大きなおかきを
バリバリ食べながら言った‥
「‥‥いいのって？」
「お母ちゃんなんでしょ？
お姉ちゃんとお母ちゃん‥
シンは‥
家族会議に出なくていいの？」
家族会議‥
そ～ゆ～と聞こえはいい‥
「別に‥ど～せ‥
言い訳だよ‥聞き飽きた‥」
「言い訳か‥
シンは‥言いたい事無いの？
聞きたい事無いの？」
言いたい事‥
聞きたい事‥
そんなモノ‥
捨てる程あり過ぎて‥
次から次と溢れてきて‥
ど～やって処理したらいいか
解らなくて‥
結局‥
全部捨ててしまった‥。
湧いてきたら‥
すぐ捨てた。
溢れない様に‥
いつも空っぽにする様に
心掛けてきた。
何も考えない様に‥
「私ね‥
お兄ちゃんの考えてる事は‥
だいたい解るの。
きっと‥お兄ちゃんも‥
私の事解るの。
家族だから‥
それって時々‥
痛いよね‥」
「痛い‥‥？」
お互い解り合っている‥
素敵な家族じゃないのか？
「うん‥解り過ぎて‥痛い。
お互い‥痛いくらい解るから‥言葉にしなかったり
するでしょ？
そ～すると‥痛いの。
胸がパンパンになって‥
ハチキレそ～になる‥
解ってる事も‥
ちゃんと出さないと
ダメなんだよ‥
だからね‥
家族会議は‥
大切なんだよ‥」
解り過ぎて‥痛い。か‥
「満島のお兄ちゃんと‥
あの女は違う。
あの女は‥俺の事なんて
全然解ってない。
いつも‥自分の事ばっかで‥
解り合おうともしない‥
今さら‥解って欲しいとも
思わない。」
「全然ダメじゃん。」
うん‥ダメだよ‥
「じゃあ‥家族会議
出なきゃダメじゃん。」
え‥？
「あの女に解ってもらえ
とは言わない‥
あの女の事を
解ってやれとも言わない。
でも‥出席しなきゃダメっ!!
ちゃんと言いたい事‥
聞きたい事‥
言わなきゃ‥
シン‥カビが生えるよっ!!!」
カビ‥
生えるのかよ‥
満島は‥
俺につられて
“あの女”と言った‥
やっぱり‥
違和感があった‥
自分で言ってる時には
気づかなかったけど‥
“あの女”は‥
あんな女でも‥
やっぱり‥
“母ちゃん”なんだ‥
と‥思った。
端から見たら‥
ただの“あの女”でも‥
やっぱり‥
俺にとって‥
家族なんだろう‥
認めたくないけど‥
この違和感が‥
その証拠なんだろう‥
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