血縁‥

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「母ちゃんがした事‥ 許して貰おうなんて 思ってない‥ 我が子を置いて行くなんて‥ 母親失格だと思ってる。 だから‥今さら 一緒に暮らそうなんて‥ 都合のいい事を 言うつもりもない。」 違う‥ いつものセリフと‥ 違うじゃねーかよ‥ 「じゃあ‥何で‥ 俺の跡つけたんだよ‥ 何で‥俺と会った時‥ すぐに逃げ無かったんだよ‥ 何で‥ 追いかけて来たんだよ‥ 何でいつものセリフじゃ ねぇーんだよっ!!!!! 言えよっ!!! いつもみたいに‥ お前達が居れば それでイイって!! 言えよっ!!!!!!」 俺は‥ 何が言いたいんだ‥ 自分でもわからない。 ただ‥ 調子狂うんだよ‥ いつものセリフなら‥ やり過ごし方が解るのに‥ いつものセリフじゃねーと‥ ど~していいか‥ わかんねーんだよ‥ 「そんな事‥ 言えるワケ無いじゃない‥ ずっと‥ずっと‥ それだけを思っていたって‥ そんな事‥母ちゃんには‥ 言う資格無いでしょ‥ ただ‥ 言わなくたって‥ ずっと‥ずっと‥ そう思ってるわ‥」 言わなくても‥解る事‥ 言わなくちゃ‥解らない事‥ 言いたくても‥言えない事‥ 満島の言った通り‥ 時には言葉にしないと‥ 痛い目に合うんだな‥ 「言えよ‥ 思ってるんなら‥ ちゃんと‥言えよ‥」 「アラタ‥‥ 母ちゃんは‥ お前達が‥‥そばに‥ 居てくれるだけで‥ それだけで‥いい。 奈由美‥アラタ‥ お前達だけが‥ 私の‥宝だよ‥ お前達が居てくれるだけで‥ それでいい‥」 母ちゃんは‥ いつものセリフを‥ いつもみたいに 泣きながらでは無く‥ 必死で涙をこらえながら 言った。 奈由美が母ちゃんの背中を さすりながら‥ 「母ちゃん‥解ったから‥ アラタ‥私は‥ 母ちゃんの面倒見るよ‥ アンタには‥強要しない。 アンタは好きにしなさい。」 と‥言った。 好きにね‥ 「俺は‥中学卒業したら‥ 家を出る。 それまでは‥ 俺の面倒見させてやるよ‥」 「アラタっ‥!!!」 母ちゃんが‥ 急に抱きついてきた。 「イッテェ~よっ!!! つ~か‥やめろよっ!!! 満島の前で‥ハズいだろっ!!」 「私も~~っ♪」 何故か満島も‥ 抱きついてきた‥ 俺の顔は‥ また‥ 完熟トマトに なってるに違いない‥
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