緊急家族会議です。

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“お兄ちゃん‥ 私はずっとお兄ちゃんと 一緒だよ‥♪ どこにも行かないよ‥♪ お兄ちゃん‥大好きっ♪” 今よりもっと小さい花音が 俺の首にぶら下がって言う‥ “お兄ちゃん‥ 今まで育ててくれて アリガトー‥ お世話になりました‥” 今より大人の花音が 三つ指を立てて言う‥ 「‥花音っ!!」 自分の声で目が覚めた‥ なんて夢だ‥ 後味が悪い。 そ~だ‥夢だ‥。 俺はずっと部屋にこもり 曲を作っていた‥ 今日の午後に 打ち合わせがあるので それまでに少しでも‥と思い 必死で打ち込みしていた‥ ひと段落して‥ そ~いや‥ 何も食ってなかった‥ 真理にも会いたくなった‥ 真理とイチャイチャしながら 飯でも食おう~っと♪ リビングに行った‥ 花音と真理が話していた‥ 二人でお買い物か‥ いいな♪俺も行きたいな♪ 俺が二人にピッタリのブラを 選んでやるのに‥ と‥思っていたら‥ 花音が申し訳無さそうに 断った‥ ん‥?お友達‥‥ 何か‥におう。 花音の目を見れば解る。 何か‥ 後ろめたい事があるのだと‥ 残念ながら‥ やっぱ‥夢では無い様だ‥ いつか‥ こんな日が来る事は‥ 当たり前の事。 ただ‥ 心の準備が出来ていない‥ いや‥ 準備なんて初めから する気は無かった。 だって‥ 花音はずっと俺のそばに いてるもんだと 思っていたから‥ 俺の世界は 花音と二人の世界だと 思っていたから‥ それに‥ 俺が誰かを本気で 愛する事も‥ 無いと思っていた‥ だから準備なんて 必要なかった。 しかし‥ 俺は真理と出逢い 本気で人を愛する事を知った。 それから‥ 心のどこか奥の方で‥ 俺はずっとビビっていた‥ いつか‥ 花音も同じ様に‥ 愛する人と出逢い その存在に奪われる日を‥ いや‥ 真理と出逢う ずっと前から‥ 俺はビビっていた‥ 花音が生まれた時から‥ 血の繋がらない俺から‥ 花音を奪われる日を‥ 血の繋がったヤツに‥ 花音を奪われる日を‥ ずっと‥ ビビりながら‥ 生きてきた‥ 花音の愛する人なら‥ まだ‥ マシかも知れない‥ 俺が‥ 本当にビビっているのは‥ 花音の母親の事‥ その母親と俺との事‥ 花音は‥ 何も知らない。 ァァ‥ 頭が痛い‥ 割れそうだ‥ また‥ 知恵熱ってヤツか‥? これだから‥ 天才は困る‥。
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