血縁‥

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KIYOの手は‥ どんどん冷たくなっていった‥ しかし‥ 私の手を握る力は‥ どんどん強くなっていった‥ 花音ちゃんの 叔父様や叔母様が話す過去は KIYOの過去を 塗り替えるモノだった。 その後‥ 花音ちゃんの母親は 案の定 柳沢家を強請る道具に使われ 大先生はお金とコネを 駆使して騒ぎをおさめた。 花音ちゃんの母親は 大先生の監視の元 ほぼ幽閉生活を強いられる。 そして‥ 花音ちゃんの母親は‥ 若くして癌で 亡くなってしまう。 「姉は‥最後まで 譫言(うわごと)の様に “お許し下さい‥ 我が子を捨てた私を‥ お許し下さい‥ どうか‥ あの子だけは‥ 守ってあげて下さい‥” と‥言い続いていました‥」 私が見た夢の女性は‥ この妹さんでは無く‥ やっぱり‥ 花音ちゃんの母親だったんだ‥ 花音ちゃんは‥ ずっと‥ 母親に‥ 愛されていた‥ ずっと‥ 母親に‥守られていたんだ‥ KIYOが有名になって‥ 花音ちゃんの母親が お金目当てでも KIYOの前に現れ無かった事が 私にはある意味 不思議に思っていた‥ KIYOが有名になった事で お金目当てで KIYOの前に現れる人は 山の様にいたのに‥ 一番‥それをやりそうで‥ 一番の切り札を持った 彼女が現れないのが‥ 不自然だった。 今考えると‥ 彼女は‥ KIYOが有名になる前に この世を去っていたから‥ でも‥ 生きていたとしても‥ 彼女は現れなかっただろう。 花音ちゃんを守る為に‥ さすがの大先生も 娘に先立たれ‥ 相当ショックを受け 徐々に現役から遠のいていく。 そこで‥ 跡取りである彼の出番が やってくる。 大先生は‥ 2人の孫を待ち望んだ。 亡くなった娘の 生まれ変わりを‥と。 「私達夫婦には‥ 子供が出来ないんです‥」 そう‥ 大先生の夢は打ち砕かれた。 「‥ざけんな。」 KIYOがボソッと 低い声で言った‥ 「ふざけんなっ!!!!! アイツの譫言‥ 聞いて無かったのかよっ!! アイツが守ってきたモンを‥ テメーらが奪うのかよっ!! テメーらみたいなヤツに‥ 花音は絶対っ 渡さないっ!!!!! 花音は‥花音は‥ 俺が守るっ!!!!!」 KIYOは‥ 立ち上がって‥ 柳沢さんの胸ぐらを掴み ポイッと捨てた。 柳沢さんの銀縁メガネが ズレて‥ 柳沢さんは恐怖の顔で ソファに座り込んだ‥ KIYOは‥ 狼になっていた‥ 怒りのオーラが‥ 青い炎の様に出ていた。
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