血縁‥

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「どうする‥」 社長は柳沢夫妻を 玄関まで送り出し 戻って来るなり ソファに ドカッと座って言った‥ 「決まってるだろ‥ そんな勝手な事させるワケ ねぇだろがっ‥」 KIYOは社長をギロっと 睨んで言った‥ 社長はしばらく黙って‥ 「真理ちゃんは‥ どう思う?」 と言った‥ 「私は‥ 良かった。と思って‥」 「良かった‥だと?」 KIYOに‥睨まれた。 それでも私は‥ 怯まない。 ここで怯んだら‥ 私がいてる意味が無い。 「花音ちゃんが‥ 母親に愛されていて‥ 良かった。と思った。 花音ちゃんには‥ 知らせてあげるべきよ。 花音ちゃんは‥ 知るべきよ。 自分が愛されていた事を‥ 守られていた事を‥」 私は‥ KIYOが言った様に‥ 花音ちゃんの事だけ 考えて言った。 「んな事したら‥ んな事したら‥花音は‥」 KIYOは‥ 神様に祈る様に 両手を組み合わせ その手を 口にあてながら 絞り出すみたいに言った‥ 「きっと‥ 大先生に会いに行くわね‥」 KIYOは‥ またテーブルを蹴飛ばした。 KIYOは‥解ってる。 花音ちゃんが‥ 大先生の所へ行く♪ と言い出す事を‥ 花音ちゃんに黙っている事が 自分のエゴだと言う事も‥ 「KIYO‥ 花音ちゃんは‥ 何があっても KIYOの妹よ‥ 花音ちゃんも‥ KIYOの事が‥ 痛い程よく解るの‥ 花音ちゃんが KIYOを苦しめる事なんて‥ 絶対無いよ。 大丈夫よ‥KIYO‥ 花音ちゃんは‥ ずっと‥KIYOの家族だから‥」 私は‥ プルプルと震える KIYOの肩を抱いた‥ 「真理‥花音は‥ 花音は‥俺の妹だよな‥ 俺の‥家族だよな‥」 KIYOは‥子供の様に言った。 「そ~よ‥ 花音ちゃんは‥ KIYOの妹で‥家族だよ‥ KIYOは‥お兄ちゃんで‥ 大黒柱でしょ? しっかりしなさい!」 私はKIYOの背中を パシッと叩いた。 「オッサン‥ 何があっても‥ 花音と事務所を守れ‥ 大バカ野郎なんかに 潰されんじゃねぇぞ‥ 全面戦争だっ‥」 えっ‥!? 全面戦争‥!? KIYOは‥ 子供から急に 戦闘モードになった‥ 「バカ野郎~ 俺をナメるなよ‥? 大バカ野郎になんか 負けるか‥」 社長まで‥ やる気満々‥ ど~なってんの‥!? ど~なっちゃうの‥!?
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