血縁‥

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真理がいてくれて良かった‥ 真理がいなければ‥ 俺はきっと 花音に真実を告げる事は 無かっただろう。 ずっと‥ 俺と言う檻の中に 花音を閉じ込めていただろう。 解ってる。 花音が‥ 何よりも俺の事を 思っている事も‥ あの時も‥ そうだった。 花音が‥ 施設の奴らに持ってかれた時‥ 近所のお節介野郎が 通報したのだが‥ それは‥ 花音が自ら お願いした事だった。 花音は‥ 俺の事を思って‥ 自ら俺の元を去って行った‥ 花音は‥ 俺が真実を知らないと 思っている。 それを知ったら‥ 俺が傷つく事も 知っているから‥ その通り‥ 俺はボロボロになったのだが‥ オッサンが 施設から花音を引き取るのは 骨が折れた様だ‥ 何せ‥ 花音は自ら家を出たのだから‥ オッサンが‥ どうやって花音を 説得したかは解らない。 でも‥また花音は 俺の所に戻って来た。 花が咲いた様な笑顔で‥ “お兄ちゃん♪ただいまっ♪ これからは‥ ずっと一緒だよっ♪” って‥俺の胸に 飛び込んで来た。 もう‥二度と離さない。 二度と‥ 俺の為に‥ 花音を犠牲にしない。 そう誓ったのに‥ 俺はまた‥ 花音の人生を‥ 鷲掴みにしようとした‥ この手で‥ 握り潰そうとしてしまった‥ 何をやってんだか‥ 結局‥自分の事しか 考えてナイって事か‥ 俺はどうも‥ 幸せボケしてるみたいだ‥ 何もかも うまくいかない時があって‥ 何もかも うまくいく事が続いて‥ 何でも思い通りになると‥ 錯覚してしまう。 完全に幸せボケだ‥ 真理の言う通り‥ 花音は‥ 何があっても‥ 俺の家族だ。 俺の‥可愛い可愛い妹だ。 それは‥ 花音も同じ気持ちだと‥ 解ってる。 大バカ先生が‥ 花音を‥ “血縁”で 手に入れようとするなら‥ 正々堂々戦ってやる。 “血”よりも濃い‥ “絆”で‥ 俺と花音は‥ “心”で繋がってる。 向こうが“血縁”なら‥ こっちは‥ “心縁”で戦ってやる。 俺と花音の家族の絆は‥ 決して誰にも 引き離せやしない‥ 誰にも‥ 引き離させない。 待ってろっ!! 大バカ先生っ!! 見るモノ見せてくれるわっ!! 「オイ‥解ってんな? 今日は挨拶程度だ‥ 暴れんなよ‥」 「ァア。解ってるよ‥」 「ホントかよ‥?」 俺とオッサンは‥ SPを引き連れて 洋風の御屋敷に 足を踏み入れた。 戦闘開始だ‥。 決して負けられない戦争の‥。
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