血縁‥

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「わざわざお越し頂き 有り難う御座います。 まさか‥もう一度きちんと お話させて頂けるとは思って おりませんでしたので‥」 柳沢氏は丁重に頭を下げた。 しかし‥ ビビっているのは‥ 隠しようが無いようだ。 そりゃ‥仕方あるまい。 KIYOは‥ 映画から飛び出た ギャングさながらだから‥ KIYOは長い足を組んで ソファにデカい態度で 座っていた。 コイツには‥ 遠慮ってモンが無い。 イイ意味でも‥ 悪い意味でも‥だが。 「それで‥大先生には‥」 「ハイ。社長が仰る通り‥ 伝えております。 今‥呼んで参りますので‥ しばらくお待ち下さい。」 俺は‥柳沢氏に “全ては‥ 花音の思うがままに。” と‥伝えた。 しかしその前に‥ 大先生と話をさせて貰う事。 大先生が 花音の意思を無視して 柳沢家に入れると言うなら‥ 全面的に戦う。 と言う事も伝えた。 これは‥ KIYOと話し合った結果の事。 KIYOは‥ 花音は‥大バカ先生に 会いたい。と言うに 決まってる。 それなら‥それで構わない。 しかし‥ 花音を柳沢家の跡取りとして 花音の母親と同じ道は 決して歩ませられない。 花音を柳沢家の道具に するつもりなら‥ 全面戦争だ。 と言った。 アイツは‥ 花音に全てを話す決心をした。 そして‥ 全てを話した上で‥ 花音を守る決心をした。 いつも‥ そうやってアイツは 花音を守ってきた。 その事は‥ 花音が一番よく解っている。 痛いくらい‥解っている。 そんな兄妹だから‥ いくら大先生でも‥ 政財界の大物でも‥ この兄妹の絆は‥ キレないだろう。 KIYOの思うがまま‥ 暴れたらいい。 俺は‥ コイツを守るだけだ。 コイツと‥ コイツが守りたい花音を‥ 守るだけだ。 俺は‥ コイツと出会って‥ 生きた気がしない事や‥ 死んだ‥と思う事や‥ 散々な目も‥沢山あったが‥ 人の何倍もの人生を 生きてる様で‥ 人の何倍もの幸せを‥ 実感できる。 ホントに‥ 不思議なヤツだ‥。 俺は‥ まだまだコイツを 手離せない‥ こんな ドキドキワクワクするのは‥ コイツと一緒じゃなきゃ 味わえないからな‥ トントントン‥と 大先生が‥ 螺旋階段を下りて来た。 俺の心臓は‥ ドキドキワクワク‥ ガキみたいに弾んでいた。
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