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「でも……まさかメリーさんが人を襲う話が出るなんて……」
「俺は、今まで落ちが無かった事が凄いと思いますが。」
LeaFの事務所で早瀬と資料を見ながら話す。
今追っているメリーさんの都市伝説はこうだった。
メリーさんは女の子を襲う。
それは、自分を捨てて行った女の子に復讐をするため。
ただし、メリーさんは持ち主だけでなく、女の子全てが憎くなってしまった。
だから、持ち主以外の女の子も襲ってしまう。
メリーさんは長い竹馬に乗っている。
家に隠れていても、その竹馬でドアや窓を壊して侵入してくる。
その竹馬で女の子を刺すのだ。
「バカらしい……って言いたいんだけどね。」
「俺もです。ですが、目撃者や被害者が居ますし……。」
パソコンで新しいページを出しながら早瀬が話す。
そこには被害者の情報が載っていた。
「軽傷、重傷、死者……か。もし、捨てられた事が真実だとしたら切ないわね……。」
私が言うと、早瀬は俯いてしまった。
こいつは優しすぎる。
この仕事には向いていないと思う。
「はい……。早く止めてあげましょう。」
「……そうね。まずは……メリーさんを捨てた女の子を探しましょう。」
「はい。」
柔らかく答えてやると、早瀬は俯いていた顔を上げて、ふわり、と笑った。
いつもそういう顔なら可愛いのに……男のくせに。
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