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ユウスケとはクラスが違った。
私の前の席に座っている坂井と仲がいいみたいで、よく私のクラスに遊びにきていた。
ユウスケと初めて言葉を交わしたのは、桜の散りはじめる4月の終わりだった。
移動教室で音楽室に向かう私はユウスケに呼び止められた。
坂井の友達だとすぐに気付いた。
チャイムを気にしていた私はユウスケを急かした。
ユウスケの手には手紙が握られていた。
『告白?』
私は、そう思った。
そうとしか思わなかった私も自意識過剰だったかも知れない。
ユウスケはぶっきらぼうに片手でそれを私に渡し、来た方に向き直りスタスタと行ってしまった。
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