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父親と母親は話し合いの結果、面倒ごとを起こさないために、その口座に金を入れた。それをできるくらいに、うちは裕福でもあった。
親にも警察にも頼れない妹は、定期的に直接送られてくるその手紙の差出人を探るために、郵便受けの前の茂みに入って、それを観察していた。そして現れたのが、サナギだった。妹はサナギの後を追って、ボクらの家を見つけだした。
そして今日、いつも通り茂みの中に隠れていた妹は、サナギの姿を確認した後、サナギが先に家についてしまう前に、急いでボクらの家にやってきた。
そして、今。その全てを知った後、しばらくボクは呆然としていた。サナギが、金目当てにボクを誘拐していたことが、ひどく、ボクを傷付けた。
もうボクは、立ち直れないだろう。サナギを失ってしまった今、ボクの生きる意味はなくなってしまったのだから。ボクはただただ、街灯にむらがる蛾や小さな虫たちを、呆けてみていた。
──end.
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