その空のむこう

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  「何暢気なこと言ってやがる。 本当はお前が相手すりゃ、何もわざわざ伊庭に来て貰うこともなかったんだぜ? 勇もぼやいてるぞ、『沖田は道場破りが来るといつも姿を眩ます』ってな!」 噛み付くように言うが、沖田はどこ吹く風だ。 「それは近藤さんの思い違いですよ。 私がたまたま居ない時に限って、道場破りが来るんです」 「はっ!調子のいいこと抜かしやがる」 「本当ですよ。偶然です」 「そうやって笑って誤魔化そうったって、俺には通用しねぇぜ? お前の考えなんざ、お見通しなんだよ」 そう言うと、土方は沖田の顔を真っ直ぐ見て言った。 「…お前、恐いんだろ?」  
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