その空のむこう

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  「お前、自分が恐いだろ?」 神妙な面持ちで、土方は言葉を続ける。 「お前には天性の才能がある。 剣の才能が。 無意識に身体が動くんだろうな。 だから手加減が下手だ。 さすがに俺や勇には遠慮があるみたいだけどな。 お前が本気になりゃ、もう俺や勇も敵わねぇだろう」 「そんなこと…」 「そんなことあるだろ? そこへいくと、道場破りになんざ何の遠慮もいらねぇ訳だ。 だからお前は恐れてる。 歯止めが効かなくなることをな」 目を見張り、黙ったまま土方を見ていた沖田が、ふと弱々しく微笑む。 「…参ったな」 そう言って俯いた沖田は、ため息を吐くように言った。  
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