5人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前、自分が恐いだろ?」
神妙な面持ちで、土方は言葉を続ける。
「お前には天性の才能がある。
剣の才能が。
無意識に身体が動くんだろうな。
だから手加減が下手だ。
さすがに俺や勇には遠慮があるみたいだけどな。
お前が本気になりゃ、もう俺や勇も敵わねぇだろう」
「そんなこと…」
「そんなことあるだろ?
そこへいくと、道場破りになんざ何の遠慮もいらねぇ訳だ。
だからお前は恐れてる。
歯止めが効かなくなることをな」
目を見張り、黙ったまま土方を見ていた沖田が、ふと弱々しく微笑む。
「…参ったな」
そう言って俯いた沖田は、ため息を吐くように言った。
最初のコメントを投稿しよう!