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『キッフェ王子は 人魚を知っていますか?』
「人魚?そうだな…」
すると急に顔をしかめ
「伝説と言えども…私は…嫌いだ」
「…(キッフェ王子…)」
『なんでですか?』
「それはな…」
(それは…)
「女しかいない…と言うのもあるが…私はそれに騙された」
『騙された?』
「小さい頃だったな…私は夢の中でだが…人魚と一緒だった…まるで現実をみている様に物語も進んでいた」
「しかしふと急に、人魚が私に見向きもしなくなった…理由は…」
「お前の夢は全く面白味がないから、夢から消える、と…」
「以降、夢にくることもなく、幼かった私はそれが非常に傷付いた」
「それからは人魚は興味は無い…むしろ出会ったら」
「私がこの手で人魚を殺してやっても良い」
「…ビクッ(ころ…)」
「ないかもしれないがレヴェ、お前がもし人魚だったら…今すぐ私が殺しているかもな…人間でよかったな」
「そうですわね……そう言えばキッフェ王子」
「なんだ?」
「今週、キッフェ王子の婚約者が帰ってくるとか…そんな噂を聞きましたわ」
「そうだったな…」
『婚約者?』
「えぇ…確か2、3年前に婚約者がいたのですが急にいなくなってしまって、今週、その婚約者が戻ってくるとの噂が立たないのです…」
(結婚…)
『婚約者の名前って?』
「あんまり詳しくは無いのですが…確か…」
「エチューゼ、エチューゼ・ベスティス…そんなお名前でしたわ」
(ふぅーん…エチューゼ…)
(エチューゼ…?…えっ…?)
(えぇ!?エチューゼ!?エチューゼは人魚の筈!キッフェ王子が大っ嫌いな…!えっ…!?)
「確かそんな名前だったな…」
「あら…レヴェさん…そんな驚いた様なお顔をしてどうなさったんですか?」
(どうしよう…!エチューゼが…殺されちゃう!)
『あの そのエチューゼさんって 声出せないんじゃ…?』
「…?普通に出せますわよ?エチューゼさんは古い喋り方をする変わったお方だとお聞きになってますし」
(えっ…?どう言うこと?)
「そうだなエチューゼの喋り方は嫌いではないが苦手だったな…」
苦笑するキッフェ王子
(同姓同名って奴なのかな…うぅん…)
「重い話ばっかして悪いな…外に行って気を晴らしてくるといいレーチェ、連れて行ってやれ」
「分かりましたわ、行きましょ?レヴェさん」
手を繋ぎ外へと行くレーチェ王女とレヴェ
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