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「…」
キッフェ王子が何かを睨むような顔をしたまま手を組み何かをボソボソと呟いていた
「キッフェ王子!」
「…!」
我に帰ったのか睨むような顔をやめこちらに振り向いた
「レヴェ…!エチューゼ…!」
「今なんか言っていたが何を考えていたのかの?」
「ん…あぁ…気にしないでくれ…独り言だ…」
「そうか…」
「そうだ、レヴェ、気分は良くなったか?」
(うん…まあまあだけど…)
数回頷いているとキッフェ王子が一瞬、レヴェを睨んでいるかのように見えた
「キッフェ王子…」
「…っ!なんだ…」
「いや…何でもない…」
(気持ち悪いぐらい変な違和感がする…もしや…知った、などあり得ぬ…だったらいつ聞いた?どうしてキッフェ王子も来たのだ…?)
「ん…?レーチェ王女はどうした?姿が見えぬが」
「用があるらしい」
「用…か…分かった」
「…?(どうしたんだろ…さっきとはうって代わって黙っちゃってる…)」
(何だか呼びかけちゃいけない気がする…)
「本当に用だけかの?」
「ん…?どう言うことだ」
「変な事を言って泣かせたんじゃないのか?」
「失礼な事を言うな…泣かせてはいない、用事だと言っているだろう」
「はいはい」
「レヴェ、一人で動かせるか?」
(うん…多分…エチューゼ一人で大丈夫なの?)
「心配そうな顔をするな、大丈夫だ」
(うん…じゃあ…)
エチューゼと別れる
暫く車椅子を押していると
(…何だろう…物静か…)
(シンとしすぎて誰もいないみたい…)
キャリキャリと車椅子を押す音だけが小さく響く
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