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朽ち木の下
一人の少女が泣いていた
まるで寒さに震えるような
体の痛みに耐えるような
彼女は黒い髪を震わせ、独りですすり泣いていた
彼女を僕は知っている
村で唯一の【いけない子】
村に嫌われた“黒頭巾”
噂はいくらでも耳にしたが、彼女を見たのは初めてだった
漆塗りのような艶やかな黒髪
深く沈み混むような黒色の瞳
触れば溶けてしまいそうな淡い色の肌
彼女は肌が粟立つほど美しく
寒気をおぼえるほど深い
しかし同時にとても弱い印象を受けた
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