心理術

6 時には、哀願口調で訴え、意見を認めさせる

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　情けの世界に生きる日本人は、感情を理論や論理より優先しがちだ。
　特に泣く、哀願すると言った感情の揺さぶりには非常に弱い。
　相手が泣けば、こちらもつい貰い泣きし、土下座をされれば、「そこで迄しなくても」と、つい同情してしまう。
　その結果、「私で良ければ」とつい譲歩するのだが、政治家は、こうした心理術を実に巧みに利用している。

　もう古い話になるが、政治理論問題で国会が大揺れした時、中曾根元首相と田中元首相が会議した。
　この会議で、田中元首相は、「孫に、悪口を言われるので学校🏫へ行きたくない、と言われるのが一番辛い」と、涙😢を浮かべて心境を吐露し、中曾根元首相も思わず貰い泣きしたと言う話が伝わった。この会議で中曾根元首相は、「政治理論に筋を通した」と名言したが、「田中元首相の涙😢にコロリと騙された」との声が仕切りだった。

　こうした話が最もらしく聞こえるのは、日本人が涙😢に脆く、情の世界を重んじるからだ。

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